こんにちは

 

 

ムチャいい取り組みですね。合格

 

さて

 

10年間研修医や若手の先生を定点観測してきた女性医師が語る最近の研修医の先生

 

はこれまでとは明らかに異質であるようです。彼女によると・・・

 

まず特筆すべきは弁当男子の登場だそうです。それも1人ではなく3人程度が台頭し、

 

の他の研修医にも弁当制作を布教し始めました。

 

ついこの間まで家に塩もラップもありません。炊飯器は全く使わないと悟ったのでメ

 

カリで売ってやりましたと謎に自慢してくる男子も居たし、たとえ高級弁当やオー

 

ガニックフードを目の前にぶら下げられても、俺はあえて昼に医局でカップラーメン

 

とファミチキを食べるぜ。それが忙しくてカッコいい医師像だぜという風潮も無きに

 

しもあらずでした。

 

(外科の先生に特にその兆候あり)

 

そんなエースコック上等男子に代わり、弁当男子―ズ(私が今名付けた)は新妻が愛

 

込めて作ったかのような栄養バランスの良い品数豊富な完璧弁当を毎日自分だけの

 

めに拵えてくるのです。そして彼らも含め研修医たちは往々にして勤務が終われば

 

すぐに帰宅。病院の規則通りに消化した有給休暇を利用して、産業医資格やFP(ファ

 

イナンシャル・プランナー)資格を取得するそうです。彼女が研修医だった時代には

 

そんなことは脳裏にちらつきもしなかったそうです。

 

学生結婚を経て2歳児の子育てをしながらローテートしていた研修医のとある男子もま

 

印象的であったようです。妻も同期の研修医で全く対等な立場ということもあって

 

か、夫婦いずれもが育児家事を同程度担い、日当直に入り、交代で育休を取得してい

 

た。妻が県外に遊びに行く時は自分が子供をみると言っており、その偏りの少ないご

 

くフラットな関係性に驚かされたそうです。最近、結婚を控えた研修医の男子がある

 

大学の医局入局説明会に参加した際に育休は取れますか?と聞き、主催者側が困って

 

すみません、前例がありませんと答えたというエピソードも耳にしました。

 

彼女が何が言いたいかと言えば、彼らに共通するのは真面目で、先を見通す能力に長

 

け、将来をきちんと見据えた行動に躊躇がなく、したたかで抜け目ないという特徴

 

で、彼らこそ今まさにジェンダーを超えてきている世代なのではないかということで

 

す。働き方改革で大学病院の人員確保の問題も深刻化しそうな予兆がある。医局員と

 

してこれらの新世代を迎える為に、今後大学医局を中心とした全ての病院はより働き

 

やすい魅力ある環境づくりを目指す必要があります。

 

医局が胡坐をかき黙っていても医局員が押し寄せ、へいと二つ返事で命ぜられるがま

 

に関連病院を転々としてくれるような時代はとうに終わっていると思われます。

 

医局入局説明会において今後のキャリアパスについて紹介される機会も増えてきてい

 

るようですが、いかにして専門医を取るかに主眼が置かれており具体的な労働環境に

 

触れることはほとんどないのでしょう。ただ、その大学でも既に産後パパ育休制

 

度が導入れており、既に制度が始まっているのに、まだ子供もいない新世代からの

 

具体的な想質問に対し、前例がないという回答ではあまりにもお粗末ではないかと

 

思います。これまで家庭を全て妻に任せ、夜遅くまでひいては24時間体制で働く上級

 

医によって日本の医療界は支えられてきました。自己犠牲的な長時間労働を美徳とす

 

る価値観はいまだ根強いですし、そうした働き方を強いられてきた部長クラスの先生

 

方が今なお一番遅くまで院内に残って、子育て世代の肩代わりをして下さっている事

 

実も多分にあります。しかし、今考えてみれば古き悪しき時代でもあったのかもしれ

 

ません。長時間働けるに主軸を置き、それを前提にぎりぎりの人数で現場を回す状

 

況が続けば、個々の心と体の健康が守られる働き方はいつまで経っても実現できませ

 

ん。上級医もCOVID-19感染やらメンタル不調やらで、いつ休職を余儀なくされるか

 

わからないのです。若手世代に少しでもジェネレーションギャップを感じている指導

 

医たちは、自身がブラックに働いていた頃の記憶も美化された苦労話も、いったんか

 

なぐり捨てるべきなのかもしれません。

 

育休取れますか?には、今は実現できていないとしても少なくとも今後改革していく

 

向きな姿勢が医局にあるのか、果たして医局に自分の近い未来を預けられるのか、

 

そんな医局の根幹への問いが内包されています。医局は新世代の研修医たちから試さ

 

れてるのです。

 

では今日はこのへんで・・・

 

Ciao!!