こんにちは!

 

ウオーキングのお供です。

 

2024/05/26/日 13:00-13:55 | いいこと、聴いた | TOKYO FM | radiko

 

今回は美味しい冷やし中華を紹介しています。是非ご視聴下さい。お願い

 

さて

 

医療現場のユニフォームについてです。上差し

 

医師のユニフォームは、この数年でかなり変化しました。軽さや動きやすさからスク

 

ラブが増え、色もカラフルになっています。

 

 

スクラブはscrub(ごしごしこすって洗う)が語源で、その言葉通り気軽に洗濯がで

 

きます。ジジイは昔ながらのケーシー白衣を着ています。

 

 

ケーシーて言っても若い先生方は???ですかね。

 

ケーシーとはベン・ケーシーという昔のドラマ主人公で天才脳外科医です。上差し

 

 

 

白衣の起源は、紀元前のインドの医師の衣装であるとの説があります。当時のインド

 

は、医師は清潔であることを義務づけられ、その一環として白い衣を纏っていたそ

 

うです。たしかに白色の衣装は汚れが目立ちやすいため、汚れたことに気づきやす

 

く、清潔を保ちやすいですね。一方、西洋の医師のユニフォームは、最近まで白色で

 

はありませんでした。黒色を基調としたコートが医師の正装でした。

 

レンブラントの有名な絵画ニコラース・テュルプ博士の解剖学講義です。

しかし黒色のコートは汚れが分かりにくく、19世紀末になると、西洋でも医師のユニ

 

フォームは黒色のコートから白色の白衣に変わっていきました。例外は手術室で、手

 

術室は緑色やうすい青色の術衣が用いられます。これは、血液の赤色に対する配慮か

 

らで、術室では血の色である鮮やかな赤色を多く見なければならなりません。する

 

と補色残像効果により青緑色の残像が出現し、視界を邪魔してしまいます。補色と

 

は、色相環で反対の位置にある色であり、補色残像効果とは特定の色の物体を見続け

 

と、その物体が消えてもその残像が見えることです。補色残像効果を予防する方法

 

は、まわりに補色を配置することです。赤色の補色は青緑色ですから手術室では青

 

色や緑色を周囲に配置すれば、血液による補色残像効果を緩和できるのです。赤色が

 

厄介なのは、補色残像効果だけではなく赤色を見ると痛みを感じやすくなること

 

です。色は感覚を誘発します。スクリーンに色を写し出し、疼痛刺激を加えると、ス

 

クリーンの色により疼痛感覚に違いが生じます。スクリーンに赤色、緑色、オレンジ

 

色、青色、黄色、桃色、灰色、黒色、白色のいずれかを映し出し、利き手でないほう

 

の前腕に痛み刺激を行います。痛み刺激は2種類で、1つは電気刺激、もう1つは温熱

 

刺激。電気刺激は,短時間の矩形パルス信号の電気を流します(通電)。熱刺激は、

 

30×30 mmの接触型の熱源を皮膚に接触させます(32℃をベースラインとして10℃

 

/秒のランプアップで1秒間のプラトー刺激)。結果は、電気刺激も温熱刺激も同じ

 

で、スクリーンの色が赤色のときに疼痛の強さを一番強く感じます。われわれの脳

 

は、色に対して感情を内在化していて赤色は危険(血、火)を連想させます。脳は色

 

により認知が操作されその結果、色により疼痛閾値が変化します。そういえば信号機

 

の赤色、緊急車両の点滅ランプなど、社会の中でも赤色はネガティブな情報を伝える

 

ために利用されています。では、スクリーンが何色だったときに、痛みをもっとも感

 

じなかったのでしょうか。答えは、白色です(1)。白色を見ると疼痛は軽減します。

 

白衣は疼痛改善効果を有します。白衣が医療現場に定着して100年が経過しました。

 

しかし白衣は過去のものになりつつあります。医師が権威的に振る舞うのに伴い、白

 

衣は権威の象徴として患者の血圧を上昇させる要因にもなりました(白衣高血圧)。

 

今から100年後には、医師のユニフォームは、何色が主流になっているのでしょう

 

か。医療の本質は患者に寄り添い、安心を与えることであり、新色のユニフォームを

 

着ても、権威的な振る舞いで医療を行えば、そのユニフォームは白衣のように疼痛抑

 

制効果をもたらさないでしょう。ショボーン

 

<文献>
(1)Wiercioch-Kuzianik K, Brączyk J, Bieniek H, Bąbel P. Red induces hyperalgesia and white induces hypoalgesia regardless of pain modality. Sci Rep. 2023 Apr 19;13(1):6360.

 

では今日はこのへんで・・・バイバイ

 

Ciao!!口笛