こんにちは!

 

 

大学の偏差値の高さと国家試験合格率は相関しません。

 

以前ジジイは医師になるためにはそんなに学力は必要ないと述べましたがまさに

 

大学入学後の努力が重要です。上差し

さて

医療の変遷-平成から令和へーということで、まずは平成から令和にかけて、医療現

 

ポジティブに変化したと思われる項目を複数選択可で回答を得たアンケートをご

 

介。

 

平成から令和にかけて、医療現場で「ポジティブに変化した」と思う項目を
お選びください。(複数選択可)

 

写真

 

 

臨床に関することは医師になった時代が早い人ほど、ポジティブに変化したと答える

 

割合が高いことがわかります。一方、医師が働く環境は昭和の22.7%に対し、平成

 

32.0%と、平成時代に医師になった方のほうがポジティブな結果でした。

 

具体的にポジティブに変わったと思う点について寄せられたコメントより、一部をご

 

紹介します。

ロボット手術や低侵襲手術が発展した外科学

勤務医・外科・70代以上

外科臨床では手術に腹腔鏡や支援ロボットが導入され、より細部にわたって評価しながらの繊細な手術が可能となり、教育面でもモニター視聴や録画視聴により効率がよくなった。

 

勤務医・泌尿器科・70代以上

外科系の臨床科ではいわゆる開腹手術が少なくなり、内視鏡を使用した腹腔鏡手術、ロボット支援手術が多くなった。患者さんの術後の疼痛も少なく、社会復帰も早くなるなど利点も多いが、いざ開腹手術が必要になった時の対応に不安が残る。大学では、以前は臨床家でも博士号取得の為に基礎研究をまず手掛けることが多かったが、働き方改革などで時間制限が厳しくなり、研究時間が削られてきた。臨床的にはポジティブになるかもしれない。

 

勤務医・眼科・40代

AIやロボットが導入され、より正確低侵襲の手術が増えたように思う

目ざましい医療の進歩、治療法や新薬にポジティブな変化

その他・耳鼻咽喉科・50代

臨床・研究に関しては新たな治療法・新薬(私の分野であれば舌下免疫療法など)が生み出されていてポジティブな変化があると思います。また、インターネット・SNSなどの発達によって医療情報が伝わりやすくなったこともポジティブな変化であると思います。

 

勤務医・小児科・60代

創薬の進歩により色々な新薬が出てきた。

 

勤務医・小児科・60代

医療の進歩が速いので、今まで治療法がなかった疾患を薬などが支えるようになってきた。

MRの奴隷扱い、家庭重視への批判減。何事も“スマート”な環境に

勤務医・小児科・50代

私が医師になった30年ほど前は、MRさんのことを奴隷のように扱っている医師がいて、すごくイヤな思いをした。そのころに比べると、今はずいぶんよくなったように思う。

 

勤務医・整形外科・40代

なにごともスマートになった。スマホやネット環境が整い、調べ物はしやすくなった。臨床で使えるアプリも多くなった。

 

勤務医・内科・30代

QOLや家庭を重視する考え方に対して、以前より批判的な意見を聞くことが少なくなった。実態が伴っているかわからないが、意識が変わっているのは良いことだと思う。

 

その他・耳鼻咽喉科・50代

医師の働く環境も平成の前半に比べると勤務時間などにおいて改善傾向であると思います。(まだまだ改善途上であるとは思いますが。)

4割超の医師がネガティブに変化したと感じる医師の経済状況

次に、平成から令和にかけて医療現場で「ネガティブに変化した」と思われる項目を

 

数選択可でのアンケート。

 

 平成から令和にかけて、医療現場で「ネガティブに変化した」と思う項目を
お選びください。(複数選択可)

 

写真

 

最多は医師の経済状況。40.2%と、唯一4割を超える結果となりました。次点は約1割

 

差をつけて医師と製薬会社(MR)の関係医師に対する世間一般の視線とが同率で

 

31.5%でした。働き方改革が推進されるいま、医師が働く環境の変化をネガティブに

 

える医師が24.4%いるというのも示唆に富む結果ではないでしょうか。

 

一方でネガティブに変化したものはないと回答した医師は13.0%でした。なんらかの

 

でポジティブな変化を感じている方が多数派のようです。

 

次に、医師になった時代別に集計した結果です。

 

 

全体の結果でトップ3となった医師の経済状況、医師と製薬会社(MR)の関係、医師

 

に対する世間一般の視線は、いずれも昭和時代、平成時代に医師になった方の3割以上

 

が選択していることがわかります。

医師は尊敬されなくなった。ボールペンももらえない。
ゆがんだ権利意識、クレーマー増・偏見に苦しみ

勤務医・脳神経外科・50代

研修医教育が、権利ばかり主張される。
厚生労働省が医師の権利の低下に責任も取らないのに医療スタッフが主張する。
医者は、尊敬されなくなった。製薬会社員の直接の説明、接待が禁止となり、殆ど無い。ボールペンを、医師は貰えず、薬剤師に流れている。医師への制限がどんどん増えていて、窮屈に感じる。景気が良くても悪くても、昇給されないが、令和になっても、国家公務員や会社員は昇給、医師は減給。

 

その他・耳鼻咽喉科・50代

患者の権利意識が歪んだ形で高まり悪質なクレーマー・モンスターペイシェントがかなり多くなった印象があります。また世間一般の医師・医療者・医療業界への視線は誤った情報や偏見などによりかなり悪くなったと感じます。

働き方改革は夢のまた夢
毎週のように医師・病院たたきの報道、もううんざり…

勤務医・外科・70代以上

Informed consentの概念が浸透したうえに患者や家族がインターネットで医学的知識を詰め込んだ状態で相談するため、やたらと説明に時間がかかり署名しなければならない書類が増えて手間もかかるようになったのに、それが当然との社会風潮があり医師の労働環境、医師患者関係、ひいては医師の経済状況を悪化させている。そのことに世間一般も官僚も気付いていないのが問題。

 

勤務医・内分泌代謝・糖尿病内科・40代

2000年頃は毎週のように医師・病院叩き番組が報道されたし、現在でもインフルエンサーが犬笛を吹きSNSなどで医療は叩かれる。初期研修医の労働時間を制限したことで専攻医や上級医の負担が増えている。それをみた初期研修医は内科外科などは選ばなくなり悪循環になっている。加算を取るための書類や会議なども増え働き方改革は夢のまた夢であると思われる。

やられた!私を見て、ニヤリと笑った乳腺外科の教授
盗聴する学生も…変化する若手医師の価値観について行けず

勤務医・脳神経外科・60代

なんと言っても2004年(平成16年)に始まった新臨床研修制度でしょう。その年から卒業予定の学生に各科の進路説明会が開かれるようになり、私は脳神経外科医代表として深夜や休日まで働いても人の命を救えた時のやりがいや、緊急手術で予定が潰れることも多いが自分自身のスキルアップを感じる時の快感を熱く語りましたが、学生からの反応はいまいちでした。次に説明に立ったのは乳腺外科の教授で、いきなり皆さん、乳腺外科では緊急手術はほとんどありません。病棟からの緊急呼び出しもありません。休日はゆっくり休めます。大学院に進めばじっくり研究することができます。外科医として充実した生活を送りたい方はどうぞ入局して下さいと発言された後、私の横の席に帰り、座り際にこちらをむいてニヤリっと微笑みました。その瞬間、やられたーと思いましたが、その年から脳神経外科の入局希望者は10年間0で、乳腺外科の入局希望者は順調に増えていきました。私は時代の変化、いや学生の意識の変化をつかめていなかったのです。

 

勤務医・眼科・30代

数年前は個人的に頼めばできたことも、働き方改革だと言って出来なくなった。
研究に携わることが出来ない大学職員はそもそも大学に向いてないのではと言いたい。学生が盗聴をして、それをパワハラ委員会に訴えたという話を人伝いに聞いた。
それでパワハラが消えることはいいと思うが、言葉の受け取り方次第でいくらでも変わり、明確な基準は無い。トラブルに巻き込まれたく無いので、以前とは違い学生とは深く関わることは止めようと思った。

 

今回は平成から令和になって起きた医療現場での変化について、ポジティブな面とネ

 

ガティブな面の両方についての調査でした。ポジティブな面としては医療の進歩によ

 

る手術や治療薬の変化が多く挙げられている一方で、ネガティブな面は医師の置かれ

 

ている経済状況の悪化を嘆く意見が多く挙げられました。

 

確かにジジイ世代はMRさんのご馳走で焼肉や、ときには夜のお店まで行っていました

 

、令和時代に医師になった私は全く経験したことがありません。なかには薬剤説明

 

のお弁当も中止になっているという話も聞いたことがあります。コメントにもある通

 

り、良くも悪くも医師が特別扱いを受ける時代は終わっているということなのかもし

 

れませんね。ショボーン

 

では今日はこのへんで・・・バイバイ

 

Ciao!!口笛