手首を故障した経験のあるクライマーは多いと思う。
私もクライミングを始めてすぐの頃にジムで痛めて以来、
そりゃもう数えきれないほど故障してきた。
ハイアンダーで体を上げたとき
スローパー持って真下に加重したとき
マントル返してる最中…
そんなこんなで、今じゃすっかりガラスの手首クライマー。
ハイアンダー課題を見ると眉間にシワが寄るような体に
なってしまった。うぅ…
なので、普段から手首のストレッチはかなり頻繁に、
そしてしっかり行うようにしているのだけど、それでも私の手首は
かなり可動域が狭くて、マントルを返すのに手首が詰まって
なかなか体重が乗っていかない日々…
ところが、先日手首に効くストレッチを教わって、
3週間ほどやってみたら筋の固さがかなり緩和された。
肘の外側もよく伸びるので、引き付けて登りがちな人で肘に
違和感を覚えている人にも効果があるのではと思う。
もちろん個人差があると思うので、あくまでも参考程度に。
また、痛みがある場合はストレッチは逆効果になることもあるため
注意が必要。“ケガ予防”の観点で、自分の体の声を聞きながら
試してもらえたら幸いです。
ちなみに時の人、アレックス・メゴス君もやっている方法らしい。
①まず、げんこつを作って腕をしっかり伸ばします。
粉だらけの腕ですんません。
②反対の手でげんこつを包むように持ち、内側にゆっくりと
曲げていきます。手首の甲側と肘の外側の筋がストレッチ
されていることを感じつつ、20~30秒ほど伸ばします。
座った状態で自分の太ももを使うとやりやすいです。
①~③を3セット繰り返します。
ポイントは、「作ったげんこつを緩めない」ことと、
「肘をしっかり伸ばしておく」こと。
この2つを守ると、自分が思っている以上に手首が内側に
曲がっていかないことが実感できると思います。
でも、その分手首がしっかりストレッチできる。これがかなり効く。
そして、内側に曲げるストレッチをしたら外側に反らすストレッチも
腕を外側にツイストして反らせるバージョンも20~30秒。
手首の柔軟性はクライミングにおいてかなり大切な要素。
以前、CUBEのイベントでトップクライマー野口啓代さんの
登りを見た時、その手首の柔らかさに驚いたことがある。
彼女はもともと柔軟性の高い体を持った人だけれど、
手首も相当なもので、そうした柔らかさを存分に生かして
うまく壁に入り込み、男性の筋力をもってしてもできない課題を
サクサクと登っておられた。
クライマーが“ストレッチ”と聞くと、股関節や肩甲骨を
まず思い浮かべてしまうけれど、あの手首の柔軟性が
「あとひと押し」「あとひと伸び」を生むのだなぁと、
彼女の脅威的な登りを見て感じたものである。
故障を繰り返し、なおかつそれを放置していると筋肉や腱が次第に
固くなってしまい、可動域に影響が出てくるし、拘縮したままで登ると
新たなケガの原因にもなる。
「最近、手首に何かが詰まったような感じでうまく曲げられない…」
という人は試してみるといいかも。
願わくば皆さんが故障のない健やかなクライミングライフを謳歌されんことを。