『レンズが撮らえた幕末明治日本の風景』
幕末に来日した外国人記者やカメラマンが、そしてその外国人たちから写真技術を習得した日本人カメラマンが、北海道から沖縄までの日本全国の町並みと風景、人々の様子を写真に残している。
それらを集めて一気に魅せてくれるのが本書。
東海道五十三次の全宿場町、各地の城・寺・建築物、人々の様相、などの写真が満載。
だが、本書に掲載されている中で最も見応えのあるのは、遠方から街全体を俯瞰して撮っている写真だ。
山なみと街並み、自然と人工物が一体となっている画は、当時の日本の風景を想像させるに十分な力を放っている。
街の周囲には林や森や山が迫り、樹木の背を超える建築物がほとんどない風景というのは新鮮だ。