『無限の住人』 30巻(完) | 本だけ読んで暮らせたら

『無限の住人』 30巻(完)


『無限の住人(30) <完>』  沙村広明/画・作、 講談社アフタヌーンKC(2013)


19年間続いたネオ・ハイパー時代劇漫画が終劇した。


そのぶっ飛んだストーリー設定、圧倒的な画力、を持ってデヴューした作家=沙村広明の間違いなく代表作となる本作が終わってしまった・・・。

読みたい漫画が少なくなってきているこの頃にあって、これで益々私のマンガ離れが進んでしまいそうだ・・・。



物語の後半は主人公の二人=万次(まんじ)と凜(りん)の活躍場面は少なくなり、天津影久(あのつ かげひさ)と吐鉤群(はばき かぎむら)との抗争劇が大半を占めたが、さすがにこの最終巻では主人公二人が名場面を飾った。

まァ、主人公たちだけではなかったが・・・。死すべき人間、生き残るべき人間、主要登場人物たちの最終場面が、その一つ一つが、これまでのストーリーが反映された見事なエンディングだった。


凜が最後の一突きを繰りだしたときの目付きは、30巻分の想いが込められた、紛れもなく本作最高の一コマだった。

エピローグの凜の慟哭も、90年後の万次の在り様も、満足ゆくシーンだった。


名作。

お薦めです。