『世界を、こんなふうに見てごらん』 | 本だけ読んで暮らせたら

『世界を、こんなふうに見てごらん』

50年近くも生きてると、私がマヌケなことを云っていても意見・苦言を言ってくれる人間も少なくなってくる。
もっとも、大抵の説教・小言は既に聞いてるから、今さら他人の云うことなどに聞く耳を持っちゃいないのだが。
ハウトゥ本なども紙の無駄使いだと思ってるし。

だが、時には気持ち揺さぶられる言葉に、意見に、考え方に、出会うこともある。


故・日高敏隆博士のエッセイには、素直に首を垂れさせてくれたり、凝り固まった自分の認識や考え方を修正する機会を与えてくれたりする。




『世界を、こんなふうに見てごらん』 日高敏隆/著、 集英社文庫(2013)


「はじめに」と<講演録>を含めて12編のエッセイが載っている。

すべての文章がイイ。

その中でも、「宙(そら)に浮くすすめ」、「イリュージョンなしに世界は見えない」 の2編は格別だ。

優しい言葉で、簡単な文章で語る口調(文調)だが、根源的なコトを云われているような気がする。


お薦めです。




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