『「地球のからくり」に挑む』
地球物理とか地球史を概説するものとの印象を受ける書名だが、内容は異なる。
大半はエネルギー開発史、特に石油や石炭・天然ガスなどの化石燃料と文明・社会史との関連に焦点を当てた記述となっている。
こうしたコトのかなりの部分について、案外知らないことだらけで興味深く読めた。思ったより面白かった。
まえがき
第1勝 地球の定員
第2章 窒素固定の魔術
第3章 エネルギーの現実
第4章 化石燃料と文明
第5章 人口燃料の時代
第6章 大論争の果て
第7章 赤潮の地球
第8章 石炭が輝いた時代
第9章 燃える水
第10章 炭素は巡る
第11章 第三の火
第12章 おわりに
あとがき
さて、エネルギーに関する問題は現在の日本で大きな議論となっている事の一つであるが、私見をひとつ述べてみたいと思う。
エネルギー問題については「拙速な結論を出すべきではない・・・」というのが私の意見。
エネルギーについては、1970年代の二度の石油ショックを経験して以来の国民全体が関心を持つ問題になっている訳だが、現在は福島事故のために、私も含めて多くの人がヒステリー状態にあるように思える。個人的には、マスコミのポジティブ・ネガティブどちらの論調に対しても、一方的な垂れ流しには辟易している。
福島事故前までは、エネルギーを大量消費し、原子力発電に無関心な人・マスコミが大半だったことを考えれば、早々に結論など出せるような知識もなく、準備もできていないはず。極論に跳び付く前に、もっと冷静になってじっくりと考えるべき。学ぶべき。
大局を見ること、俯瞰することの大切さ・・・、本書を読んで、改めてそういうことに考えを巡らせる。。。