『東西不思議物語』 | 本だけ読んで暮らせたら

『東西不思議物語』


東『東西不思議物語』  澁澤 龍彦/著、 河出文庫(1982)



澁澤龍彦初読み。


日本、中国、ヨーロッパなどの古今の書物・文献に載る不可思議な出来事や妖怪・幽霊話の類を拾ってきて、ランダムに紹介している。

49の話。

何処かで一度は聞いたことがあるような話が、出典と共に紹介されている。


日本には随分と昔から奇譚が多いんだってことが良く判る。まァ、日本に限らずだが。

江戸時代の随筆なんかには、どれも大体アヤカシの話が載ってる、ってことが判る。


澁澤という人は、このテの奇譚がよほど好きらしく、その面白がり方が実に素直で厭味がない。

私などは物事を直ぐに疑ってかかるから、不思議話を読んでも素直に楽しまないこともあったりするが、この人の面白がり方は屈託がなくて好感が持てる。

だからなのか?それだけじゃないだろうが、澁澤ファンって何気に多いようだ。


『私のプリニウス』ってのも読みたくなった。