『東西不思議物語』
澁澤龍彦初読み。
日本、中国、ヨーロッパなどの古今の書物・文献に載る不可思議な出来事や妖怪・幽霊話の類を拾ってきて、ランダムに紹介している。
49の話。
何処かで一度は聞いたことがあるような話が、出典と共に紹介されている。
日本には随分と昔から奇譚が多いんだってことが良く判る。まァ、日本に限らずだが。
江戸時代の随筆なんかには、どれも大体アヤカシの話が載ってる、ってことが判る。
澁澤という人は、このテの奇譚がよほど好きらしく、その面白がり方が実に素直で厭味がない。
私などは物事を直ぐに疑ってかかるから、不思議話を読んでも素直に楽しまないこともあったりするが、この人の面白がり方は屈託がなくて好感が持てる。
だからなのか?それだけじゃないだろうが、澁澤ファンって何気に多いようだ。
『私のプリニウス』ってのも読みたくなった。