『これからの「正義」の話をしよう』
- Justice What's the Right Thing to Do? (2009)
- 『これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学』 マイケル・サンデル/著、 鬼沢忍/訳、 早川書房(2010)
350ページもある哲学の単行本を読んでみた。
どうやら話題の書だったらしい。一時期、早川書房が刊行している単行本で一番売れていたらしい?
読みやすかったし、一つひとつの話は判りやすく、案外ついて行けたようにも思えた。
わかったところ、印象的だったところだけでもメモっとこう。
まず、知識として判ったことは、伝統的な2つの政治哲学の立場、リバタリアニズムとリベラル、に関してだな。
それと、正義や公共を議論するには、コミュニティや歴史に影響されたアイデンティティを抜きにすることはできないってことが判りやすく説明されてたのは記憶に残った。まァ、記憶といっても短期記憶なんだろうけど・・・。
しかし、現在のアメリカや日本では空洞化しつつあるコミュニティーをどうやって回復すればイインだ!?ってところには言及してなかった。そこんところはチョイと物足りない。
印象的だったのは、ヒトが人生を生きていくには物語を演じることが必要だ、ってトコだな。最も頷けた部分だ。
かように部分的には判るんだが、全編を通してその内容を要約しろといっても出来ない。 結論はなんだったんだ、と考えても一概には言えない。 そもそも結論なんてあるのか?
ホント、哲学ってのは難しい。苦手だ。。。
ときおり、このテの哲学本に手を出すのだが、その度に能力不足を思い知らされる。なのに、性懲りもなく読む。 高価な本なのに・・・。