『バッド・モンキーズ』 | 本だけ読んで暮らせたら

『バッド・モンキーズ』

BAD MONKEYS (2007)

『バッド・モンキーズ』  マット・ラフ/著、 横山啓明/訳、 文芸春秋(2009)  


明らかに編集者が狙って作ったと思われるB級感あふれるアメコミ調の表紙絵、装丁、紙質。この本、何もかもがチープなつくり。ペイパーバック。そして、というか、だからこその1200円という値段設定。

このような小説、読む側としては、考えさせられたり感動するようなものは求めていない。ぜひともブッ飛んだ中身であることを期待したい。


悪を殲滅する組織の実行部隊「バッド・モンキーズ」の一員(つまり殺し屋)であるジェイン・シャーロット。

殺人で逮捕された彼女は、6面が真っ白な部屋で精神科医の尋問を受けている。

ジェインは精神科医に告白する。

彼女の生い立ち・・・溺愛された弟のフィルとは異なり、母親に嫌われて育った少女時代。

「バッド・モンキーズ」に関わることになった経緯。「バッド・モンキーズ」で行ってきた数々の任務・・・幼児連続殺人鬼、連続爆弾魔たちの抹殺・・・。


ジェインと精神科医との会話シーンと、ジェインが語る任務の回想シーン(ハイパー・アクション・シーン)とが交互に綴られる構成。


ジェインが口にする余りにも現実離れした出来事・・・。精神科医は手元にあるジェインの資料と照らし合わせる。資料と照合していることもあれば、資料には記載されていないことも・・・。矛盾点を突くと、前言を翻したり・・・・・。

はたして彼女の言っていることは本当なのか?嘘なのか? 現実に起こったことなのか?、狂人の妄想なのか?

ジェインの二転三転する供述が尋問者と読者を翻弄する。



予想通りポップ。そいでもってサイケ。 だが、いまひとつブッ飛び感に欠ける。

何故か? ラストの捻りが懲り過ぎなんだと思うナ。