『かぎは どこだ』
パンケーキをこよなく愛す9歳の少年探偵ネート君が綴る事件簿(日本語版全6作)の第5弾。
シリーズ6作中で最も“推理小説”っぽい作品だった。
ネートは怖いもの知らずだ。たった一つを除いて・・・。
今日は、アニーのペットである大型犬ファングの誕生日パーティだ。彼女(アニー)はネートの友達だ。
アニーからパーティに招待されているネートだが、実は行きたくない。ファングが怖いから・・・。
ネートと彼のペット犬のスラッジは、パーティへ出かける支度をしている。
そこへアニーがやってきた。
彼女がファングの誕生日プレゼントを買いに行っている間に、ロザモンドがアニーの家に鍵をかけて帰ってしまった! 家に入ることができない! これじゃ、ファングの誕生日パーティが開けない!
ロザモンドは4匹の猫をペットにもち、ファングの誕生日パーティの準備の手伝いに来てくれていたのだった。。ロザモンドはチョット変わった女の子だ。
ロザモンドがアニーに残した置手紙には、「鍵があるのは丸い場所で、安全な場所。ピカピカしたものがいろいろある場所。大きな場所。」 とある。
ネートは、ロザモンドが残した謎の言葉を手掛かりに、アニーの家の鍵を探すことになった!
アニーが家に入れず、ファングのパーティが開けなくなったのが嬉しいネートだが、それでも友達の頼みを断るわけにはいかない。なぜなら、ネートは名探偵だから・・・。
今回もネートの推理は冴え渡る。
が、この物語は事件解決、謎の種明かしだけが読みどころではない。ネートが事件解決に至るまでの過程で何度か迷い込む“思考のわき道”、“誤った行動”がユーモラスに描かれており、それこそがこのシリーズの<<ウリ>>の一つなのである。
そして、秀逸なのが、事件を解決した後、ネートに待ち受けているエピローグだ!