『葉桜の季節に君を想うということ』
歌野 晶午/著、 文藝春秋
ブック・オフの105円本。
2,3年程前に話題となった叙述ミステリー。
確か、年末の各社ランキング発表では軒並み高ランクに入っていた記憶がある。
クライマックスで、この作品全体に仕掛けられたトリックが明らかになるところは、“ホウ!”と感心してしまった。
主人公が二十歳の頃のエピソードと、現在進行形のエピソードを交互に絡めて語る手法なんザ、うまい! あざとい!
このあたりがランキング上位に入った理由だな・・・(たぶん)。
ただ、ラストがイマイチ。(私の好みではなかった。)
主人公がヒロインに対して説教じみたことを宣う必要はあまりなかったような気がする。当初に与えた主人公のキャラクターからは逸脱しているような気がしてしょうがなかった。ただ、この“語りの場面”を省いてしまうと、題名も変わってしまうが・・・。
それよりもなによりも、キチンと事件のカタを付けて欲しかったナ。あれじゃ、尻切れだよ・・・・・。