「ICHIRO 2 ジョージ・シスラーを越えて」 | 本だけ読んで暮らせたら

「ICHIRO 2 ジョージ・シスラーを越えて」

ICHIRO 2 ジョージ・シスラーを越えて」

 ボブ・シャーウィン/著、清水由貴子/寺尾まち子/訳、朝日新聞社



ブック・モニターに応募し、当選して贈られてきた本です。

メジャーリーグ、シアトル・マリナーズの1番打者イチローが2004年に達成した、年間安打数の記録更新に至るまでの1年間を追ったドキュメンタリーです。



イチローの言動や、当地アメリカ、特にシアトルにおけるジャーナリストや一般の市民の反応などについても、日本のマスコミが連日報道していたものとあまり変わるところは無く、新しい情報といったものは特にありませんでした。

むしろ、シアトルに在住するこの著者が見てきたイチロー関連の事柄(この本に書いてあることの大部分)について、日本のマスコミの報道によって我々は既に知っていた、ということの方が驚きです。

いかに日本のマスコミが、連日イチローについて逐一報道していたか、がわかります。



ただ、日本ではあまり報道されていなかった(ように思われる)内容も少しだけ含まれていました。



それは、次の3点です。



純粋主義者(アメリカ人至上主義者)たちのイチローの記録に対するイチャモンを紹介していたこと。つまり、シスラーが記録を作った当時の試合数の方が少なかった、同一試合数あたりに換算して比較すればシスラーの記録の方が上だ、として、不必要にイチローの記録を貶める主張をするヤカラがいるということ。こういうヤカラはアメリカだけではなく日本にもいるし、どこにでもいるのでしょう。



次に、この著者が、イチローの年齢とこれまでの実績を考慮し、将来の活躍を推測しながら、クーパーズタウン(野球殿堂)入りする可能性の有無について予測していること。



そして、2004年のイチローの活躍によって、記憶と記録の彼方から引っ張り出されてきた、1900年代前半のかつての偉大な選手達の紹介がされていたこと。

この、かつての偉大な選手名鑑みたいなところは良かったナ。



昨年のイチローの活躍をもう一度・・・という人には、まあまあお薦め・・・ですかネ?