「真夜中の死線」 | 本だけ読んで暮らせたら

「真夜中の死線」

タイトル: 真夜中の死線

「真夜中の死線」 アンドリュー・クラヴァン/著、芹澤恵/訳、創元推理文庫


キース・ピータースンが生み出した敏腕事件記者ジョン・ウェルズ、とは正反対のキャラクターといってもイイ? セントルイスの記者スティーブン・エヴェレット。この男、自分勝手で女好きのろくでなしです。


このエヴェレットが、その夜に死刑になる男フランク・ビーチャムへのインタビューを行ったところ、そこに疑念が芽生えた・・・無実では?

死刑執行を止めるべく、“筋金入りのくそったれ”エヴェレットが奮闘する・・・


クリント・イーストウッド主演で映画化もされた(私は見ていません)、死刑執行サスペンスの傑作です。


実は、著者アンドリュー・クラヴァンの別名がキース・ピータースン。クラヴァンの方が本名のようです。


この作家、キース・ピータースン名義でハードボイルドを書き、アンドリュー・クラヴァン名義ではサイコもの、ホラーものを書いています。

本作のようにクラヴァン名義でのサスペンス・ミステリーは珍しいといえます。しかも、本作の書きっぷりは、通常クラヴァン名義で書かれるサイコ・ホラーものの筆致とは異なり、ピータースン名義で書く場合の筆致に近いものがあります。


とにかく器用な作家です。どんなジャンルのものでもハズレがありません。

うわさによると、兄弟2人で書いている、とか?