「漂う殺人鬼」

著者: ピーター・ラヴゼイ, 山本 やよい
タイトル: 漂う殺人鬼 早川書房
トップクラスの女性プロファイラーがビーチで絞殺された。
捜査の指揮を執るのは、ホグナー・リージス警察署の女性主任警部ヘン・マリン。
この女性プロファイラーが関わっていたのは予告殺人事件だった。
一人目の被害者は著名な映画監督。犯人は犯罪現場に幻想詩の一節を残していた。
この捜査の指揮を執るのは、サセックス警察署ホープの主任警部ジミー・バーネストン。
主人公は、頑固一徹、“難儀なオヤジ”バース警察署のピーター・ダイヤモンド警視。
管轄の異なる2件の事件に関わっていくのは、殺された女性プロファイラーがバースに住んでいたことからである。
ダイヤモンド警視は、プロファイラー殺しと予告殺人の2件のつながりを直感し、いつしかそのオシの強さと狡猾な策略を弄して、2件の事件の捜査のイニシアチブを執っていく・・・
この作品で、ピーター・ダイヤモンド警視シリーズは第8作になります。
作者ピーター・ラヴゼイは、ここ数年、ときおりノン・シリーズを発表しながらも、基本的にはこのシリーズを書き続けています。
シリーズ作品として、マンネリ化させず、コンスタントに上質の作品に仕上げられるのは、サスペンス色を前面に出したり、密室トリックものだったり、ホラーぽかったり、毎回趣向を凝らしている上に、主人公ピーター・ダイヤモンドというキャラクターが非常に魅力的だからでしょう。
ラヴゼイの初期の頃の作品には、「偽のデュー警部」や「マダム・タッソーがお待ちかね」などの、“超”が付くような傑作もあります。
特に、「偽のデュー警部」は“英国本格もの”として、私の最も気に入っている作品の1つです。
ピーター・ダイヤモンド警視シリーズともども、お奨めの一品です。
ラヴゼイ初心者の方は、「偽のデュー警部」からどうぞ。

著者: ピーター・ラヴゼイ, 中村 保男
タイトル: 偽のデュー警部