「失われし書庫」 | 本だけ読んで暮らせたら

「失われし書庫」

タイトル: 失われし書庫

「失われし書庫」 ジョン・ダニング/著、宮脇孝雄/訳、ハヤカワ・ミステリ文庫

ひさしぶりにクリフ・ジェーンウェイが帰ってきました。デビュー時は本好きの刑事、現在は古書店の店主。

ダニングのこのシリーズ、待ち望んでいた人も多いのではないでしょうか?

クリフ・ジェーンウェイのデビュー作「死の蔵書」のクライマックスを読んでいるときは、ワクワクする焦燥感や早く次のページに進みたくなる感覚が押し寄せてきたのを覚えています。話の展開はそれほどスピーディではなく、アクションなども派手ではないのですが、ストーリー前半や中段に貼られた伏線が後半になって次々に明らかになっていく、次にどうなっていくのかを早く知りたくなる・・・巧く云えませんが、そんな過程を追っていくのがモドカシイ感覚・・・んー、やっぱり巧くいえない・・・

とにかく、おもしろいミステリーでした。私の中では、5年に一度の傑作、でした。

いろいろな本に関するウンチクもあったりして、本好きには、特に海外モノが好きな人には、たまらない内容になっています。

続編の「幻の特装本」もオモシロかったです。「死の蔵書」の印象が強すぎて割を食うだろうナ、と思って読んだのですが、そんなことありませんでした。2作続けて大当たりでした。

で、シリーズ3作目の本作、2作目の出版から7年半、待たされたこともあり、期待しないはずがありません。

前2作とはチョット異なり、歴史ミステリーといった趣向になっています。

最後に私の感想を少しだけ・・・。

「死の蔵書」ほどの衝撃度はありませんが、ミステリーとしては水準以上のデキだと思います。でも、前2作ほどではなかったかも・・・

最後の最後のセリフは良かったけどネ。