「闇よ、我が手を取りたまえ」 | 本だけ読んで暮らせたら

「闇よ、我が手を取りたまえ」



著者: デニス レヘイン, Dennis Lehane, 鎌田 三平
タイトル: 闇よ、我が手を取りたまえ

「闇よ、我が手を取りたまえ」

 デニス・レヘイン/著、鎌田三平/訳、角川文庫

 ボストンの私立探偵、「パトリック&アンジー」シリーズ第2作。
 前作「スコッチに涙を託して」よりもパワー・アップしています。
 ミステリー色よりも、サスペンス色が強い作品です。

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 依頼された仕事は、脅迫をやめさせることだった。脅迫を行っている人物は、2人の幼なじみでもある男だった。その男は、今やアイリッシュ・マフィアの元締めの片腕となっていた。

 依頼人の話を聞きながら、“この依頼を引き受けることは、今までで最高の自殺行為だ”と思っているパトリック。その横に座るアンジーは、パトリックの心を読んでいた。
 「なに? 永遠に生き続ける気でいるの?」

 ・・・2人は事件に飛び込んだ。

 ストーリーは加速していく。単に、マフィアとの対決には終わらない。

 この作品のテーマは、「法の外に存在する絶対悪」である。

 暗黒の淵に立つ主人公2人。事件は、彼らの心と体に大きな傷跡を残すことになる。

 事件解決・・・エピローグ。

 事件の顛末が、関わった人間達のその後が、淡々と記述される。
 そして、彼らを取り巻く周辺の状況も、彼ら2人の関係も、事件前とは大きく異なってしまう・・・