2テンション上がる下がるが、なんの状態を表すのか。
それはドーパミンに関することなので、その前に少しだけドーパミンの性質について述べます。
ドーパミンは脳内でのみ働く物質です。平常時でもドーパミンは出ており、脳を刺激しています。
そして増えたり減ったりを繰り返します。(分泌、放出などと表現されますが、ややこしいので「増える減る」と表現します)
ドーパミンが増えると凄く良い状態になると言われています。それはドーパミンによる脳への刺激が強くなるからです。
以上ドーパミンの性質について述べました。
さて、テンション上がる下がるがなんの状態を表すのか。
それは「ドーパミンによる脳への刺激の強弱(ドーパミンの量)」です。
この刺激を「ドーパミン刺激」と呼びましょう。
平常時のドーパミン量によるドーパミン刺激を「中」とすると、
テンションが上がっている状態というのはドーパミン刺激が「強」になっている状態であり、テンションが下がっている状態というのはドーパミン刺激が「弱」になっている状態です。
テンション値=ドーパミン刺激の度合い
という感じです。
なぜこのようなことが言えるのか。その根拠は3つあります。
1つ目は、
テンション上がるというのが、ドーパミンの増加を表していなければ矛盾するっぽい、ということです。
「このような時にドーパミンがでています」というリストがあるのですが、
それは全てテンションが上がることでした。
(たぶん上がっているが覚醒剤は不明。そのため可能性の話になってしまう)
つまり、
「ドーパミンが増加しているときには
絶対にテンションが上がっている」
という命題が成り立つ可能性が極めて高いということです。
これが成り立つならば、
テンションが上がるというのが、ドーパミンの増加を表していないと、矛盾することがあります。
依存症の話になるのですが、大量にある依存症の唯一の共通点は
「依存対象に接している時にドーパミンが増加していること」のみだと言われています。
そして、前述した命題
「ドーパミンが増加している時には絶対にテンションが上がっている」
が成り立つなら、
依存症に「テンションが上がっている」ということも共通することになります。
依存症の共通点は1つのはずですが、共通点が2つあることになります。
このとき、
テンションが上がっている=ドーパミンが増加している
であるならば、共通点は1つになることがわかります。
なぜなら、
共通点1「テンションが上がっている」
共通点2「ドーパミンが増加している」
が、
共通点1「ドーパミンが増加している」
共通点2「ドーパミンが増加している」
になるからです。
従って、
テンションがドーパミンを表すならば、依存症の共通点は1つなので矛盾しません。
しかし、テンションが「ドーパミン+他の状態」もしくは「他の状態」を表すならば、「他の状態」も依存症に共通、すなわち共通点が二個になるので矛盾します。
(勿論、科学的に証明されていないだけで共通点が2個ある可能性も否定できない)
以上のことから、
テンション上がるというのが、ドーパミンの増加(ドーパミン刺激が強くなる)を表している可能性が高いということが言えます。
2つ目は、
「テンション上がる」というのが、
「ドーパミンの増加」を表すならば、
「テンション下がる」というのは
「ドーパミンの減少」を表していなければおかしいということです。
テンション上がる下がるという言葉は明確に対になっていますよね(テンション上がる↔︎テンション下がる)。
なぜテンション上がる下がるという風に明確に対になっているかというと、それがある状態の強弱を表しているからです。
ある状態になれば「テンション上がる」という言葉がでてくるんでしたね。
ならば「めちゃくちゃテンション上がる!」というのはその状態がさらに強くなった状態ですよね。
「めちゃくちゃテンション上がってる状態」から「テンション上がってる状態」になった時、
「テンションは上がってるけど、さっきよりは下がってる」という状態になりますよね。
これを言い換えると「ある状態は強いけどさっきよりは弱い」ということですよね。
つまり、
テンション上がる=ある状態が強くなる
テンション下がる=ある状態が弱くなる
でないと明らかに意味不明です。
このことから、テンション上がる下がるというのは同じ状態の強弱を表しているということが分かります。
従って、
「テンション上がる」というのがドーパミンの増加を表しているなら、
「テンション下がる」というのはドーパミンの減少を表す
ということです。
3つ目は、以下のことです。
ドーパミンに関して
「食事は最初の一口の際に、脳内のドーパミン量がMAXになり、そこからふたくち目、さんくち目と順を追うごとにドーパミン量が減っていく」という研究結果があります。
そこで試しに、食事におけるテンションを意識してみました。
するとどうでしょう。
最初のひとくち目のそしゃく中にテンションを確認したところ「テンション上がってるとかいうレベルじゃない」という状態でした。
そこからふたくち目のそしゃく中、さんくち目のそしゃく中と順を追うごとに、
「テンションめっちゃ上がってる」→「テンション上がってる」
という具合にテンションが下がっていきました。
これはつまり、「テンションがドーパミンと見事に同じ性質を持っていた」ということです。
これは
「テンションがドーパミンの量を表すから」
ということ以外考えられないのではないでしょうか。
以上より、
「テンション上がる下がるというのは、
ドーパミンの量(ドーパミン刺激の強弱)を表している」
という可能性が極めて高いということが言えるのではないでしょうか。
(私は様々なことから、ほぼ100%だと思っています)
また、余談ですが
脳科学者で有名な中野信子さんは、著書の中で「脳内麻薬(ドーパミン)による快感が行動を決めるという筋書きにピタリと合う」と述べています。
これを要約すると
「人間はどうやらドーパミンを元に動いているっぽい」ということですよね。
つまり、
テンション上がる下がるというのが、ドーパミン刺激の強弱を表しているのなら、「テンションを元に動いている」ということは「ドーパミンを元に動いている」ということなので、
「選択時のテンション値が一番高いものを選んでいる」というのは、科学的にも納得できる部分があるということです。
以上、
「テンション上がる下がるというのがドーパミン刺激の強弱(ドーパミンの量)を表している」
ということと、
「テンションを元に行動しているということは科学的にも納得できる部分がある」ということを述べました。