僕らの四季 | 今日もラッキー

今日もラッキー

何気ない日の当たり前の日常を書いてみます

そうなんだ

僕らには

絶望を語って

時を過ごすゆとりなど

許されていない

台風の兆しに

優しさの羽を

ついばむ鳥に似て


春はいつも

冬のまぶたの下で

おののき

いじけて過ぎた

だから夏の爆発に

カモシカ達は挫折してゆく


時代を予感しないことだけが

幸せへの道なら

僕らにとって春は

錆付いた季節かもしれない


そうなんだ

僕らには

滅亡を嘆いて

涙する陽だまりなど許されていない

夕暮れの残照に

愛を求めて

咲き初む花に似て

秋はいつも

夏の騒ぎの日陰

うなだれたままに過ぎた

だから冬の到来は

僕らの中で知らされていた


予感をしても

眼をつぶることが

生き残る知恵なら

僕らにとって秋は

待つだけの季節かもしれない


四季は

見せかけの化粧かもしれない


詞 藤原 渉  歌 東京キッドブラザーズ