今日 旧友の病床を訪ねた
彼の姿は あまりに酷い
心が元気であるだけに酷い
その後 他の友達も訪ねてきた
昔話に花を咲かせる
友達に会うのはいいものだ
こころがなごむ
オイラは無言だけど
楽しかった
一人でじっくりとかみしめていたいから無口なのだ
そして みんなが好きだから
ともだち
それは不思議な関係
親でもなければ 子でもない
親戚でもなければ 嫁でもない
失い難し 友
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トンネルを抜けると
港が見えるだろう
そして列車は短いホームに止まるだろう
ここがオイラの町なんだ
ホームを出ると船のマストが見えるだろう
海の色も
山の色も
人々の声も
みんな みんな 昔のままだ
帰ってきたよ
夢に敗れて帰ってきたよ
こんなオイラを温かく迎えてくれるのかい
この土地の土になってもいいかい
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小雨の降る街を
一人歩いてみる
たばこに火をつけ
吐息と一緒に 紫の煙
くやしいけれど 浮かんでくるのは
あなたの面影
アジサイの花の色が変わっていくように
オイラの心も変われたらいいのに
この雨にうたれて
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