湿度も低く、
薫風が心地良い、今の季節。
京都では沢山のお茶会が開かれます。
お友達にお誘い頂き
宇治で催されたお茶事に行って来ました。
平等院はもちろん
街のあちこちで藤の花が満開!!
真っ青に晴れ上がった5月の空に
藤の紫が映えます♫
この日、向かったのは『縣神社』。
“縣”と書いて“あがた”と読むこの神社は、
千数百年の歴史を誇り、
1052年には藤原頼道の平等院建立にあたり
総鎮守となりました。
平安時代に書かれた『蜻蛉(かげろう)日記』には、
藤原道綱の母が宇治に来た時、
「あがたの院」に詣でたことが記されています。
ご挨拶にあらわれた本日の茶席のご亭主、
お道具屋さんを一代で始められた宮原隆洋さんが。
これから始まるお茶席への期待が高まるばかりです。
萌える緑が目に鮮やかなお庭を通って、
つくばいへ。
お寺のお茶室の佇まいや趣は、
そこに居るだけで落ち着く心地良さです。
藪の内の燕庵を写したと言うお茶室に入ると、
先程の絵と同じお炭が運ばれ…
初めて拝見する藪の内流の炭点前が始まります。
炭の置き方ひとつで!
釜のお湯が勢い良く湧いて良い音を出せるか…
火が弱まって美味しくお茶を点てられなくなるのか…
炭点前が、
これから始まるお茶席の成否を左右する、
と言っても過言ではありません。
火が丁度良い強さでイコるだけではなく、
置いた炭の形の美しさ、
しなやかな所作も重要な要素です。
お茶事をするには
身の回りの360度に細やかな気遣い、
火をもたす計算などなど総合力が必要なんです。
その後、広間に移っての茶会石。
奥様の手作りのお料理は、
お出汁まで全部、味わい尽くしたいほど美味しくて、
茶席の会話も弾みます。
普段はなかなかお聞きできない
私にとっては他流派、
藪の内流の歴史や作法を詳しく知る事が出来ました。
主菓子は老松で“岩根躑躅きんとん”。
お庭の緑を写しとったような緑と
つつじのピンクが目に鮮やかです。
再び、お茶室へ移動して、お濃茶。
藪の内流ならではのお道具組は
珍しいものばかりでした。
その後は広間に席を移して薄茶になりますが、
お部屋を渡るたびに歩くお庭では、
頬をなでる爽やかな風を味わいながら
萌える緑に見惚れます。
とは言え、この日は気温も上がり
ジワッと汗ばむ陽気。
広間に涼しげなガラスの茶入が登場すると…
お席から感嘆の声が上がりました。
涼を呼ぶ演出はそれだけではありません。
青モミジと鮎が描かれた曲げ平水指。
風炉にまかれた藪の内流ならではの…
真っ白な『藤灰』もスッキリとして涼しさが増します。
灰の景色を作る白い塊は、
藪の内流の皆さんの間では“トウフ”と呼ばれ、