『全日空予約センターです。

 今日はお盆の帰省ラッシュで満席なんです…

 あ…今!

 16時の便に1席キャンセルが出ました。』

「ありがたい。

 それを押さえて下さい。」


これは、

親しくさせて頂いている方の実話です。


大阪にある会社の経営者である彼は

あるお盆の日、東京に出張に出かけました。


思いのほか早く終わった商談。

ところが、その日、

予約している飛行機は夕方の便でした。


随分、時間があるなぁ…

便を変えよう。


とは言えお盆で皆が帰省する日。

予約していたJALに電話するも

全て満席でした。


便の変更を諦めかけた時、

「ANAの予約番号を持ってるやないか。」


何故か…

普段はかけたこともない

全日空の番号を思い出し電話をしたそうです。


そして、

当初乗るはずだった18時のJAL便ではなく

16時のANA便で大阪に帰りました。


その日は…

1985年8月12日。


自宅に帰り見ていたテレビから

ニュースが流れて来ました。


羽田発、伊丹行きのJALボーイング747が

群馬県の御巣鷹の尾根に墜落したと…。


いつもなら、

商談が終わると皆でランチをするのに、

その日に限って早々に帰路につき…


いつもなら、

JALしか乗らないのに、

その日に限ってANAの番号が思い浮かび…


何気なく選んだ様々な選択肢が

結果として

彼をJAL便から遠ざけたのです。





そして、

30年以上前に聞いた

お友達のお父さんの話です。


彼女のお父さんは、当時、

広告代理店の食品メーカーチーム担当のトップ。


その日、東京で大きな会議があり

食品チームのほとんどが東京へ。


そして、

夕方のJAL便で大阪に帰る予定だったのです。


ところが思いのほか仕事に時間がかかって

チームのほとんどが

ギリギリに羽田に着いたと言います。


「間に合った、良かった。」

JAL便に乗り込む食品チームの面々。


しかし、

チームの新人メンバー1人だけが

他のアポイントのため、

JAL便に間に合わないと連絡がありました。


友人のお父さんは、

「仕方ない。

 新人だしな…今日のアボの感想も聞きたいし。

 俺は新人を待って、後から帰るから

 皆は先に乗ってくれ。」


キャンセルしたのです。


咄嗟の判断。

小さな選択の違い。


それが、

後々、生死を分けることになりました。


もちろん、

その日、JAL便を予約できずにいたのに、

友人のお父さんのキャンセルで一席が空き、

たまたま乗った方もいらっしゃいます。





何気なくしている

いつもの判断。

無意識の選択。


その連続が、結果として

重大な違いに繋がることがあるんです。





この話を聞いてから、

私の生き方に少しずつ変化が生まれました。


どんな小さなことでも

真剣に考えて決断しよう。


当たり前のように思っている明日が

やって来ないかもしれない。


今日が人生最後の日になるかもしれない。


だったら、

今、この瞬間を力いっぱい生きよう。


今日は当たり前の1日ではなく、

貴重な1日なのだ。


今日で人生が終わったとしても

後悔しない生き方をしたい。


今日が最後になるかもしれないから、

精一杯、生きよう。

そう思って毎日を過ごすようになりました。


今日が人生最後の日。

会いたい人に会うのも後回しにしない。

会える日に会う。

やりたいことも今やる。

行きたいところにも今行く。


もちろん、

このブログを書いている今日も。

そして、今も。


これが最後の時かもと思いながら

ブログを書くことを楽しんでいます。

皆さんに伝えるために。


皆さんは、

今日を、今を、

楽しんで生きていますか?