何かを習いたい!

そう思った時に、あなたは

その道の『天才』に習いますか?

『秀才』に習いますか?


私は、教えてもらおうと思ったら『秀才』に。

背中を見て自分で習得しようと思ったら『天才』を真似ようと頑張ります。




私は、たまたま就職試験でご縁を頂き、

読売テレビのアナウンサーになりました。


学生時代から

アナウンサーを目指していた訳ではなかったので

アナウンス学院や専門学校には行っておらず、

『声を出す』教育を受けたことがありませんでした。

入社した後の会社の研修で

初めて発声練習を教えて貰ったのです。


もともと良い声でも、

良い喋りが出来たわけでもなく、

放送委員会にいた訳でもない大学生が

ある日、突然、アナウンサーになってしまいました。


なので、

会社に入ってから、とても苦労しました。


才能あるアナウンサーには簡単に出来ることが、

自分には出来ない。

何故、出来ないかすら分からない。

愕然としました。

でも、仕事です。

『出来ない』では通りません。


なので、とにかく、

発声練習も腹筋も人の倍やりました。

毎日毎日、何年も…

結果として28年間、

そして今も発声練習は欠かせません。


すると…入社して数年ほど経過した頃、

ある日、突然『声が胸に響く』という事が

身体で理解できるようになったのです。

何年もかけて、ようやくです。


本当の意味での『声のプロ』になるのに

これだけ時間がかかるのか…

ため息が出ました。


でも、初心者だった自分を

なんとかプロにすることが出来たので、

出来ないところから何をどうしたら出来るようになるのか身をもって経験することが出来ました。

なので、全くの初心者の方に

一から教えることが出来るのです。


それは、

才能のある人には出来ません。


なぜなら、才能がある人は

最初から良い声が出ているからです。

才能のある人は

そもそも『声が出ない』苦労を知りません。

声が出ない状態から声を出せるようにする経験がないのです。

なので、それを教えることは出来ません。


ところが、才能のない私は

素人の状態から『良い声を出す』ために

何をどうしたら良いのか、もがき続けました。

何年も何年も…

腹式呼吸の仕組みを勉強したり、

横隔膜を動かせるよう訓練したり、

ただただ発声練習をして喉を鍛えたり…

なので、その経験を伝えることで

教えることが出来るようになりました。


つまり、

どうしたら良いのか教えて貰うには

ゼロから苦労して成し遂げた人に聞くのが

一番良いと思いうのです。




ゴルフも…

最初から球が良く飛ぶ人に

『どうやったら距離を伸ばせるのか』と聞いても、

いや、普通に打ったら飛ぶんだよ、

なんて答えが返って来ます。 


でも、最初は全然、球が飛ばなかったのに

色々研究したり、身体を鍛えることで

飛距離を伸ばせるようになった人に

『どうやったら距離を伸ばせるのか』聞くと、

スクワットが効いた、とか、

ヘッドスピードを上げた、とか

フォームを研究した、とか

具体的な答えが返って来るものです。


苦労を重ねた秀才にこそ、

そのやり方は聞くべきです。




逆に、

天才には質問せず、

そのやり方をただただ観察します。


彼らは教えてもらわなくても出来る人たちです。

自分オリジナルのやり方を知っています。


ただ、それは万人に通用するものではありません。

天才だから出来ること。

そんな偉業をつぶさに近くで見て真似することで

自分の技術を向上させることはできます。





何かを習得しようと思ったら!

まずは『秀才』に習って自分の腕を上げ、

続いて『天才』のそばで真似をする。

それが、

物事を習う時の極意のような気がします。


ま、これも私流の考え方ではありますが…