皆さん『シロウオ』をご存知でしょうか?


『シラウオ』ではなく『シロウオ』!!


漢字で書くとシラウオは「白魚」、

シロウオは「素魚」。

似ているようですが全然、種類の違う魚です。


関西では和歌山県が有名で、

ちょうど今のこの時期、

産卵のために上げ潮に乗って群れで川を上るため、

シロウオ漁は、

南紀の「春の風物詩」と呼ばれています。


そんな「シロウオ漁」の取材に

旅番組を担当している時に行きました。




朝早くから和歌山の湯浅、

広川の河口に向かいます。

既に何人かの漁師さんたちが

そこかしこで四つ手網を仕掛けていました。


そのうちの1人の方に密着取材。

特別にシロウオ漁を私も体験させて貰いました。


カメラマンが川の中に入って

撮影が始まります。


3、2、1…Q!!

ディレクターの合図でリポート開始!


川に仕掛けられた四つ手網を挙げると…


ぴちぴち、ぴちぴちっ!

沢山の透明で透き通った小さなシロウオが

網の上で跳ねました。


やったーっ(o^^o)


『透明のシロウオが陽の光で輝いています!

 大漁ですー♫』


ロケは順調に進みます。


『それでは早速食べてみます。

 シロウオの代表的な食べ方と言えば!

 “踊り食い”!

 ではでは、いただきます(o^^o)』


そう言って

今、獲れたばかりの『シロウオ』を

ポン酢にさっとつけて頂きます。


『いやぁ、なんとも言えない感じです。

 口の中でシロウオが飛び跳ねています。

 喉を通る食感が心地良くて癖になりそうです。』


「オッケー、カット!!

 ただ今のコメント、頂きます☆」


ディレクターから一発でOKが出ました。


「それでは、

 このあとインサート撮影するので、

 漁師さんと植村さんはちょっと休憩です。」


『あ、ごめんなさい。

 お手洗い、行きたいんですけど…

 どこに行ったらいいですか?』


と、漁師さんに聞くと…


「おーっ、女性は大変やなぁー!

 男はここらでやっちゃうから…」

『え…

 ここら、ですか?

 ここらって?』

「あー、川、川。」

『川でやっちゃうから』


見ると…

今、私が漁をしていた場所の数メートル上流で

隣の漁師さんが用をたしている真っ最中…


!!!


えーえーえーっ!

漁の場所より下流ならまだしも!

上流って!!


「いや、私、踊り喰いしちゃったんですけど…」

『大丈夫、大丈夫。

 川は広いから!

 はっはっはっ』


確かに広いけどーっ!!

いやいやいやいや、

数メートルしか離れてないし…


春になると思い出す、

衝撃のロケ現場でしたー(;ω;)




※20年前の話です。

 その後、体調などに問題は出ていません。