テレビ局のアナウンサー。

…と言うと、

「いつも楽しそうに仕事をしている。」

そう見えませんか?


実際、仕事で色々なところに行き

様々な人に会えるのは

とても刺激的で楽しい仕事ではあります。




でも!

勿論、楽しいことばかりではありません。

楽しさと同じくらい、

『大変さ』や『辛さ』がつきまといます。

それは他の仕事では考えられないくらいのものです。




何が大変で辛いのか。


テレビ局のアナウンサーは

番組で起きたことの全てを背負っているからです。


例えば、

アナウンサーが喋っている途中で

或いはインタビューしている最中に

CMに入ってしまうことがあります。


観ている人は

『えーっ!

 めっちゃ良いところで切れちゃったー!』

『せっかく盛り上がっていたのに!』などなど

ブーイングの嵐。


一見、

アナウンサーの技術のなさにも見えます。

実際、そう言うこともあります。


でも、それはアナウンサーに時間を知らせる役割のフロアディレクターが時間のカウントを間違えたり、或いは、そのフロアディレクターに時間を知らせるタイムキーパーの思い違いがあったり、或いは番組のそのもののフォーマットに記入ミスがあったり…


原因は多種多様、

本当に沢山あるのです。


でも、

例え、それがフロアディレクターであれ

タイムキーパーであれ

フォーマットであれ

他の誰かのミスであろうと、なかろうと!

テレビを観ている人からしたら、

『アナウンサーのミス』にしか見えません。


そして、

謝るのもアナウンサーなのです。




番組の不手際を

アナウンサーは背負います。


そして、

テレビ局のアナウンサーは、

そう教育されているので、

誰が原因であっても、自分が悪くなくても

テレビ局を代表して一番に謝ります。


『弊社が制作した番組で不手際がありました。

 誠に申し訳ございません。』

そんな想いです。


他の業種の仕事で、

そんなことがあるでしょうか?


会社の信頼を揺るがすようなミスを

入社したばかりの新人であっても、

『アナウンサーだから』と言う理由で、

会社を代表して謝る。


勿論、その後、不手際に深い問題があるようなら

詳しく調査をして

報道部長が謝ったりする場合もありますが、

第一段階では、まずアナウンサーが謝ります。




時に、

スタッフに『確認しておいてね!』と

何度も言ったのに、

スタッフが仕事に忙殺され

確認できないままオンエア時間になり、

案の定、確認不十分で放送に不手際が発生したり。


時に、

中継直前で内容に変更があったのに

アナウンサーにだけ知らされていなかったり。




『確認して、って、あれほど言ったのにぃー💦』

とか

『私は打合せ通りにやったのにぃー😭』

とか

『知らない間に段取りが変わっていたのにぃー💢』

とか

『私のミスじゃないのにぃー💧』

とかとかとか…


そんな想いもよぎりますが、

とにかくアナウンサーは謝るのです。


にもかかわらず

見ていた知り合いからは

「昨日、ミスったよねー!」などと

言われたり思われたり…


命懸けでやっている仕事なのに。

プライドを持って頑張っている仕事なのに。

自分のミスじゃないのに。


アナウンサー人生は、

そんなことの連続です。




そして、そんなことの連続に慣れて来ると

『言い訳をしない癖』がつきます。


喉元まで出ている言い訳を飲み込んで、

謝る。


私が謝罪することで、

炎上が避けられたり…

裁判沙汰になるのを止められたり…

会社が救われる。

役に立てることが有り難く思えて来ます。




また日常生活でも、

それが身について来るのです。


過去のことを四の五の言っても

結果は変わりません。

それだったら言い訳しない方が潔いですし、

相手も私も気持ちが良いからです。


『潔く謝って、次から同じミスはしない。』

それだけです。




最近、

LINEやメッセージでやり取りをしていると

長い言い訳の文章が送られて来ることも

少なくありません。


こちらは責めていないし、

何も言っていないのに

何故か言い訳の長い文章が送られて来ることがあります。


それに対する私の返事を短くしても、

返って来るのは長い文章ばかり。


そんな人を見ると

『この人は自分に言い訳しているのではないか』

そう思えてなりません。


きっと、自分が出来なかったことの言い訳を

自分にしているのだと思います。


そんな人生は辛そうです。


言い訳せずに、

出来ない自分を認めて、

次は同じことを繰り返さない。

そんな風にシフトチェンジをしたら良いのにな。

そう思います。


言い訳をすると

ミスした自分を認められません。

ミスを認めないと、直すことが出来ません。


言い訳をしている限り、

自分の悪い部分を直すことが出来ず、

その人は進歩出来ないように思います。




人生を変える、まず第一歩。

それは『言い訳をやめる』こと。


すると自然と自分のミスを認めるようになり、

自分の悪い部分を改善出来るのです。


かく言う私も…

無意識に言い訳していないか!?

丁寧に

毎日、思い返しながら生きています(o^^o)