読売テレビの後輩で、
ずっと報道や制作の現場で

映像のクオリティを支えて来たカメラマン出身のA君。


若い頃はめちゃくちゃ大騒ぎをしながら

みんなで馬鹿なこと三昧。

良く飲みに行きました(o^^o)


でも、

当時、仲良しだった皆も

それぞれ家庭が出来て大人になり

もう10年以上、プライベートで会っていません。



『神戸で仕事があるんです。

 久しぶりに飲みに行きませんか?』

そんなA君から嬉しいメッセージが届き

三宮のお洒落なビストロに行きました。


「最後に飲みに行ったのは何年前だっけー?

 本当にただただ馬鹿なことして

 盛り上がったよねー( ◠‿◠ )」

めちゃくちゃ楽しかった思い出とともに

懐かしい話に花が咲きます。


そして話題は将来へ…

彼も50歳を過ぎました。


「第二の人生、どうするのー?

 それが今一番、私の聞きたいこと!」

『えー?老後ですか?』

「違う、違う!第二の人生だよ!」


ついつい年功序列、定年制のある日本では

年齢を重ねてからの人生を

定年のあとの『老後の人生』と表現しがちです。


でも、『老後の人生』と言うと、

そのあとに『引退』と言う言葉が続いて来そうです。


なので、

私は『老後』と言う言葉を使いたくありません。

人生は死ぬまで『現役』でいたいのです。



でも、

日本の仕組みはまだまだ

『死ぬまで現役』を貫こうとする人にとっては

不都合なことが少なくないようです。


海外では、

看護師をずっとしていた70歳を過ぎた女性が

広告代理店に入って新たな人生を切り拓いたり。


キャビンアテンダントの試験に年齢制限がなく

高齢の人がチャレンジしたり。


そんな話は良く聞きます。



でも…

日本に50歳を過ぎた人のチャレンジを後押しするシステムはあるのでしょうか?


会社を辞めてから

真剣に陶芸を習おうとネットで調べてみました。


名だたる陶芸家が出身者に名を連ねる学校が

京都と多治見にありました。


一方は職人さんを育てる機関。

他方は芸術家を育てる機関のようです。


でも。

芸術家を育てる機関には

40歳と言う年齢制限があるのです。


もちろん、真剣に通う人のための機関なので

補助が出ているので金額は抑えめです。


公的な補助を出すなら若い人を育てたい。

そう言うことなのでしょうか?


40歳を過ぎて、

他のキャリアを持つ人が芸術的なことを学ぶのは、

公的なお金の無駄使いですか?


とは言え、

シニアの起業支援や再就職支援が整備されていない、そう言っている訳ではありません。

そちらは自治体ごとに色々あるようです。


いくつになっても、

まるっきり知らない

新しい道を目指して勉強をしたい!!

そんな人を応援するシステムのことです。


日本に、そんな仕組みが整っているでしょうか?

年齢を経てそれまでのキャリアとは縁もゆかりもない新たなジャンルを学ぶ仕組み。



『年齢制限の壁』


『歳を取ったら引退して老後の生活を楽しめ!』

そう言われているような気がしてなりません。


いやいやいやいや…

私は、いくつになっても真剣に勉強をして

プロを目指したいです。

でも、それを学ぶ道を探すのは

50歳を過ぎた人には困難なようです。


『人生100年時代』そう言われますが、

年老いて一つのキャリアを全うした後、

普通の人が40歳や50歳を超えて

全く新しいジャンルのことを学び

普通にプロを目指せるシステムが

日本にももっと必要ではないでしょうか?


今のままでは、

年齢を経て経験を積んだ人の新たな能力の可能性を無駄にしているような気がしてなりません。


『老後なんだから

 50歳を過ぎたら第一線からは引っ込んでろ!』


このまま、50歳を超えて新たなキャリアで活躍できる人の能力を使わないでいると、日本の国力は衰える一方だと思います。


もちろん、会社には

定年を迎えたあと60歳を過ぎて働けるシニア制度などもあります。

でも、それでは同じ会社、同じ職種で働くしかありません。

選択肢がそんなに少なくて楽しく生きられますか?


アメリカでは…

看護師をしていたお婆さんが

楽しそうに広告代理店で働いています。


一度きりの人生、

色々なキャリアを体験して

色々なプロになる自由があって良いと思いますし、

そうあるべきだと思います。



私が働き始めた平成元年。

その頃でも、まだ「寿退社」と言う言葉があり、

女性は結婚したら会社を辞めるのが当然だと思う人が沢山いました。


でも、そう言う昔ながらの慣習や考え方が

女性の社会進出にブレーキをかけ、

女性が活躍する機会を狭め、

未だに日本は女性の取締役の数や管理職の数、

女性政治家の数も伸び悩んだままです。



50歳を過ぎた人に対する慣習や考え方も同じのような気がしてなりません。


働ける人の能力、

活躍できるはずの人の能力を活かしきれないシステム。

今のままで、日本は大丈夫ですか?