フィギュアスケート界を牽引して来た

高橋大輔さんや織田信成さん、町田樹さん。

宮原知子さんや本田真凜さん、白岩優奈さん。


素晴らしい選手たちを育てた

『フィギュアスケート界の一大拠点』とも言えるのが

関西大学高槻キャンパスにあるスケートリンクです。





大学独自のリンクを開設し練習環境を整えることで、

多くの有力選手が生まれ育つ。


まさに

「新・フィギュア王国」と言っても良い地盤が、

関西大学の高槻キャンパスにはあるのです。




でも、

そのスケートリンクが作られた2006年、

誰もそんな将来を予想した人はいませんでした。


たった1人。

森本靖一郎元理事長を除いては…





きっかけは2004年11月、

高橋大輔さんらが練習していた

高槻市内のスケートリンクの閉鎖でした。


関大アイススケート部やアイスホッケー部の学生は

近隣のリンクを使おうとしますが、

それらのリンクは飽和状態で、

夜中にしか練習できないこともあったそうです。




選手が大阪のリンクから

終電で京都に帰る様子を知った森本先生。

「若いのにね、電車の中で寝とってね」。

スケートリンク建設を理事会に提案しましたが、

理事15人中14人が反対だったそうです。


建設費に加え、

完成後の膨大な製氷経費や電気代。


森本元理事長は自ら走り回りました。

ガスを使って冷媒を循環させ氷を造る技術を研究、

運営費用の低減を成功させたり、

建設財源の確保や理事の説得を情熱を持って続け、

その結果、

大学初のリンク開設となったのです。




関西大学のアイスアリーナがなかったら

名だたる名選手が生まれたかどうか…


いわば、現在の

「日本のフィギュア王国の礎を作った」と言っても

過言ではないのです。





そんな森本靖一郎元理事長に

私が担当していた『リーダーズ愛』と言う番組で密着取材をさせて頂きました。


関西の経済界や教育界をリードする先人を紹介して

じっくりと対談をする番組です。


数日に渡る取材で、

森本元理事長の魅力にノックアウトされました。


判断力に優れ

決断力が早く

素晴らしい行動力で

どんどん熱い想いを実現していきますが、

とっても茶目っ気があって可愛らしいのです。




森本元理事長の行く先々には笑顔が溢れます。

取材が終わり、放送が終わってからも

何かとお気遣い頂き、

色々お世話になりました。




パワフルで元気いっぱい。

エネルギーのかたまり、

そんな森本元理事長の訃報が届くとは…




10月2日。

森本元理事長のお誕生日に

『お別れ会』が開かれました。


信じられない、

信じたくない想いのまま…

当日は司会をさせて頂きました。

『わが子の母校はわが母校』。

森本元理事長は大学と家庭の心のかけはしとなり、

日本の私大で初めて創設された学生の保護者会組織を日本一の大学後援会に育て上げられました。




『お別れの会』には父母の方も含めて

1500人近くの方がいらっしゃったのです。





森本元理事長の功績はスケートリンクだけではなく、

枚挙にいとまがありません。


今のグローバルな関西大学を

作りあげた森本元理事長。





今も目を閉じると

私たちにハッパをかける

先生のお元気な声が聞こえて来るようです。


亡くなられて、なお、

元気をくださる森本先生に感謝してもしきれません。


本当に本当に

有難うございました。