歴史的な名品を真似て作り、

それを本物と偽って売る『贋作』。


また、オリジナルと全く同じように作る複製品、

『レプリカ』と言う概念。


世界的には

真似て作られたものの価値というのは

原作より低い場合が多いのですが…

(原作が失われた場合は

 レプリカにも価値は出ますが…)


日本には『写し』と言う価値観があります。


写し(うつし)とは、

美術工芸品などで、名品と言われるものの形状や模様・図柄を模倣して作られた作品のことです。


写しの元となった作品は、

和歌の本歌取りにならって『本歌』と言われます。





数百年前の名品を

名だたる作家さんが『写し』として作る。


勿論、もとの作品の良さも残しつつ

それを作った人のセンスも生きるので、

私には“素晴らしい芸術家が時を超えてコラボ”する

素晴らしい価値観に思えてなりません。


まさに『守破離』。

何かを作る時は最初は守る。

素晴らしい作品を真似るところから始まり、

それが身に付いたら、

基本を破り、自分のオリジナルとして離れる。


陶芸だけでなく

それは喋る仕事の世界でも同じです。


ナレーションの勉強も

最初は上手な人の読み方を真似るところから始まります。





などと…

大仰に書いてしまいましたが、

私も作陶の修行として

『写し』にチャレンジしてみましたー(o^^o)

写真は永楽保全(1795〜1854)さんの菊画。

保全さんご自身も『写し』を得意とした人でしたが、

その作品『菊画』を私もお茶碗に写してみました☆


同じようにお茶碗の外側に描いたり…


少しアレンジして

お茶碗の中に菊を書いて

白マットの釉薬をかけると…


あら不思議!

茶色の鉄で描いた絵が

シルバーに変化しました( ◠‿◠ )


思わぬ効果も陶芸では楽しい驚きになります。

先日、作った織部のお茶碗も…

ポップなデザインのように見えますが、

織部の名品を写したものなんです。



風情や景色は全然違いますが…

そこはご愛嬌!!


きっと何百年も使ってもらえたら、

雰囲気も…

変わるんじゃないかなぁー(^◇^;)


なんて、色々考えながら

お茶碗を作るのが楽しくてたまりません♫