連日、盛り上がりを見せる東京オリンピック。


個人的には

今回、新競技として認められたスケートボードに

新しい発見と新鮮な驚きをおぼえました。


やはり言葉を使う仕事をしているので

まず、度肝を抜かれたのが

解説の瀬尻稜さんの斬新な言葉づかい!


『ビッタビタ』とか『鬼ヤバい』と言う言葉を

あの“NHK”が放送で使うことを許容していることに

驚き、それと同時に

なんとなく“新しい時代”の到来を感じました。


一過性のものではなく新しい時代を感じたのは、

瀬尻さんの喋りが、

ただ業界用語を連発している

チャラい感じなだけではなかったからです。


彼の世代の丁寧語、

『凄いっす!』『大変なことっす』

(凄いです、大変なことです)

と言う言葉を彼は選んで使っていらっしゃいました。

つまり相手への敬意を払っていたのです。


ただ若者言葉が放送で使われた、と言うことではなく

若者が使う新しい言葉の文化が取り入れられた、

そう感じました。


そして2番目の驚きは

10代の選手と40代の選手が

一緒に戦っていたことです。


大の大人が

子供と競っているように見えなくもありません。


キャリアの差と体力の差。

どちらがモノを言うのか…。


キャリアを考えると

12歳の選手はどう考えても数年。

それに対して

年齢を重ねた選手は何十年の経験があります。


しかし

体力の差は歴然です。


どちらが有利なのか?

結果は

メダルを獲得した選手の年齢が物語っています。


そして3番目の驚きは

選手たちみんなが明るくて

本当に楽しそうに競技に取り組んでいること。


過酷な競技で

頭蓋骨骨折を経験した選手もいるくらい。


その練習も並々ならぬものがあるにも関わらず

オリンピックを本当に楽しんでいる

心の底からの笑顔に元気を貰いました!


自分の出番が終わった後も

会場を盛り上げるため

滑り続け、パフォーマンスをして

観ている人を楽しませようとする選手。


成功しても、失敗しても、

頑張ったライバルが競技を終えると

温かいハグで迎える選手たち。


とても清々しい気持ちになりました。


そして最後は年長者への敬意です。


最年長の参加者、

「南アフリカの英雄」と呼ばれる

46歳のダラス・オーバーホルツァー選手。


難度の高い大技に挑戦しながら

着地に失敗する場面もありましたが、終始笑顔。


彼は、

貧困にあえぐ子供たちのため

母国、南アフリカの各地にスケートパークを建設し、

競技を通じて子供たちを支援しているそうです。


そんな彼に

会場からは拍手が止まず

SNS上でも称賛の声が相次ぎました。


年長者への敬意は

スケートボードだけではありません。


男子、板飛び込みの寺内健選手40歳。


彼は15歳の時

アトランタオリンピックに出場して以来、

四大会連続出場、

一度引退したあと復帰して

リオデジャネイロオリンピックに出場。


初出場から25年、

この東京大会が夏季オリンピック6度目の出場なんです。


しかし、

今回、成績はふるわず12人中12位。


しかし、

彼がラストダイブを終えた時、

会場には自然と拍手が湧いて

それが、さざ波のように広がって行き

最後はスタンディングオベーションになりました。


国籍も年齢も関係なく、

ただただ寺内選手の敬意と称賛が湧き上がったのです。


その瞬間を観たとき

私も胸が熱くなって思わず涙がこぼれました。


もちろん、

メダル🏅獲得や

奇跡の勝利の瞬間、

神技のような素晴らしい演技の数々にも

沢山の感動を貰いました。


しかし、

言うまでもなく、

オリンピックの感動はそれだけではないのです。


選手のこれまでの歩み、

人生、キャリア、生き方、

全てに胸を打たれる。


それがオリンピックだと言うことを

今回の東京大会で

私自身が年齢を重ねて

改めて感じることが出来ました。


きっと同じオリンピックでも

人によって感じることは様々だと思います。


性別、生き方、年齢…

今回のオリンピックは

あなたにとって、どんな意味がありましたか?