「〇〇の町 京都」なんてフレーズをよく耳にする。
〇〇にはいろんな言葉が入る。古(いにしえ)の町・伝統文化の町・寺社仏閣の
町 等々。京都ほどこのようないろんな切り口を持つ町があるだろうか。
そんな中で私が京都の奥深さを感じる切り口の一つに「水の町 京都」と
いうのがある。
京都の地下には琵琶湖とほぼ同量の水量の伏流水があるそうな。
豆腐・湯葉・生麩・染物・茶道・酒のような加工品、保津川下り・十石舟・高瀬川
の水運、京都の文化は豊かな水なしでは成り立たない。そして驚くことに、普通
なら厳重に秘匿されてもおかしくないのに、この豊かな水に私たちも手軽に
触れることができる。
そんな中でもわたしのお気に入りの場所が、京都御所の東、清和院御門の
すぐ北にある 梨木神社である。
訪れる人も比較的少ない静かな神社であるが、あるところには行列がいつも
できている。神社内にかつての京都三名水のひとつ「染井の井戸」があるのだ。
井戸にはボトルやタンクをかついだ人たちが列をなしている。
ありがたいことに、この名水が誰でも汲めるのである。中にはプロとおぼしき
方々もいらっしゃる。(井戸の脇に志納金を入れる箱があります。)
私は京都に行くときは水筒や空のペットボトルを必ず持っていくようにして
いる。自転車や徒歩で流していると喉がよく乾く。その時にはここ染井をはじめ
とした甘露をいただくために、自然に足が向かっているのだ。
こんな町中で飲める水が汲めるところがあるなんて・・・。ここの他にも
錦天満宮なんか繁華街のすぐちかくなのに、である。
間違いなくこれらの伏流水も「京都の奥深さ」を形成している一因では
ないだろうか。 またガブ飲みしたいなぁ~(^^。
梨木神社は秋の萩の美しさでもよく知られてます。皆さんも一度この染井の
名水を口にしてみては如何でしょうか。