『失敗から何度でも立ち上がる僕らの方法』読後感 | 渡る世間にノリツッコミ リターンズ(兼 続日々是鬱々)

渡る世間にノリツッコミ リターンズ(兼 続日々是鬱々)

フリーライター江良与一のブログです。主にニュースへの突っ込み、取材のこぼれ話、ラグビー、日常の愚痴を気の向くまま、筆の向くまま書き殴ります。

 

 

ここ3年ほどラグビー関係の本は、実物、電子版を問わず、見たら買いすることにしているのだが、その一環として買い求めた一冊。早稲田大学ラグビー部の元監督にして、現在は20歳以下日本代表を務める中竹竜二氏の名前に引っかかって買い求めたと記憶している。

 

しかしながら、この本はもう一人の著者税所篤快氏の今までの活動をひもとき、そこから税所氏が得たものを語ることの方が主であった。基本的には両者ほぼ半分半分の紙面配分なのだが、今まで著作を何度か読んでいる分、中竹氏の執筆部分にはさほど新鮮さはなく、この本を読んで初めて知った税所氏の、現在に至る半生記には驚くことが多かった。

 

税所氏は貧困故に教育が行き渡らず、それゆえ貧者が再生産されるという現在の世界全体の趨勢に疑問を覚え、誰もが少ない費用で高等教育を受けられる仕組みを作り上げようと志す。氏の一番の長所は、思い立ったらとにかく活動すること。そして、活動の結果が失敗に終わっても、それにめげずに失敗の要因を分析して、次の活動の際にキチンと活かすことも挙げられる。

 

氏は早稲田大学在学中にバングラデシュのグラミン銀行の事業として、遠隔地の生徒にもDVDを用いて高度な学習が出来る仕組みづくりに取り組む。活動初年度で彼の国の最難関大学に合格者を出すなどの成果を上げるもののグラミン銀行の事業としては頓挫。いくら氏自身が若くても、なかなか再起は難しいと思われるほどの大失敗だった。実際に失敗直後は激しく落ち込んで、一時は引きこもりのような生活を送ったこともあったらしい。

 

そういう弱い自分も認めてしまう。落ち込んでしまう自分を否定して、自虐的になることなく、気持ちが上向くまでの休暇だと思う。単純なことなのだがなかなか難しことだ。どうしても自分を責める気持ちが強く、その気持ちの動向によってさらに疲れてしまう人が大半ではないだろうかと思う。

 

この自責の気持ちを持つことは普通のオハナシだし、必要な事でもあるのだが、いつまでもそれに囚われていては前に進むことが出来ない。気持ちが落ち着くのを待って、客観的に失敗の原因を追及し、次回はその失敗点を改善して臨む。この繰り返しで現在に至るのだと、税所氏自らが語っている。


そこで絶望しきってしまうのではなく、まずはココロを平静にするための時間を取ることを心がけ、その時点で感情的に自己否定するのではなく、手順や方法を徹底的に見直すことで改善していく。ごく荒っぽく言ってしまえば本書の内容はこれがすべてだ。

 

とは言っても、失敗の落ち込みから、冷静になれる時間は人それぞれ。私自身、先週末に上司との面接で言われたことをまだ引きずり続けているし、なかなか改善に向けての歩みを始められない状態だ。少なくとも明日の週明けからは無理だ(苦笑)。ただし、自分の行動を客観視して、対策を考えることを優先するという姿勢については少しづつでも取り入れていきたいと思う。会社の仕事に対して、ココロのそこからの「やる気」は出しようもないし、出そうと努力するつもりもないが、出し方の練習を積んでおくことによって自分が本当にやりたいことに挫折したときの訓練にはなる。これもエクスサイズの一つであると「客観的」にとらえて取り組んでいけば良い。