ほめたくない部下をほめる技術 (マイコミ新書)
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at 09.10.12
伊藤 史
毎日コミュニケーションズ
売り上げランキング: 29053
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タイトルを目にしたとき、最初に感じたのは、身も蓋もないタイトル・・・でした。インパクトあります。
無理やり褒めるただの技術論ではありません。この本を読めば、褒めたくない部下はもちろんのこと、褒めたい部下、夫&子ども、そして自分を褒めて、結果を出せるようになるでしょう。また、上司の気分をよくするのにも使えます。
帯には元気な上司と部下を増やしましょう!とありますが、家庭も元気になります。
そんなわけで、付箋がこんなに・・・。
この本で、非常に大切な言葉として扱われている「ハイポイント」これは「過去に何かを成し遂げた最高の瞬間」のことを意味します。
私ですと、仕事では「前任者の引継ぎなしで経理と総務をまわして会社の業務に支障をきたさなかったこと」「1期での販売管理費の600万の削減」です。特に後者は削減のために、苦手な交渉を通常業務の合間に、ピーク時は1日4件入れて・・・と語りだすと長くなりそうです。
家庭では2回の「出産」です。あの痛みを越えたら、以前よりもちょっとやそっとで動じなくなっていました。どれだけの痛みかは、1ヶ月で忘れるのですが、すざましい痛みを乗り越えたという経験は残ります。
人それぞれが持っているハイポイント、これを野球でのヒーローインタビューのようにポイントを押さえて聞く。具体的な褒め言葉を並べなくても、相手は褒められているように感じるのです。どこのポイントを押さえるかは、本を参照してください。
ただ、間違えてはいけないのは、インタビューの目的は真実を把握することでも、真実を正しく相手に認識させることでもありません。上司がハイポイントを聞くことにより、部下が自信を持ち、上司との信頼関係を作ることにあります。
また、部下のやる気や才能を引き出すためには「ゴールを示す」と挙げられていますが、ゴールを示す際も「ハイポイント」が重要になります。
ハイポイントを掘り下げることで、強みとやりがいを示唆してくれ、適切なゴール設定ができることになります。
そして、「直接ほめずにほめる技術」の章では、場の雰囲気、チームの雰囲気をよくする知恵が満載です。自分が直接褒めずに、褒めのスパイラルをうんでいけます。
小手先の褒め言葉ではなく、人を知り、そして結果を出してもらうための技術を知りたい方にオススメの本です。

