今日の訪問リハは、床から20cmの高さがある4畳のたたみスペースで行いました。
まずは、20cmの高さの所に腰かけます。
先生の介助で、麻痺足が浮くこともなく、座ることができました
「さあ、ここに寝てください」
夫は、自分で仰向けに寝転びました。
「次は、ゴロンってうつ伏せになってください」
夫がうつ伏せになろうと足を動かした時、 「ストップ!」
「きちんと両足を曲げてください」
夫は、健足だけを曲げ、麻痺側に倒そうとしていました。
「動きやすい健足だけでやろうとしちゃうんです。こういう時、丁寧に両足を使う癖をつけてほしいんです。片方だけでやろうとすると代償運動がでてしまいます。左右、同じように使うようにしましょう」
夫は、両足を立てて、麻痺側に倒し、ゴロンとうつ伏せになりました。
お腹の下にある麻痺手を抜くのがなかなか難しい
先生に手伝ってもらい、両手を曲げ、肩の下に手のひらを移動させます。
手のひらで畳を突いて、肩を上げます。
麻痺手は、先生に引っ張ってもらい、バンザイの格好になりました。
クッションを胸の下に置き、リラックスさせます。
ところが・・・
「う~ん、体の力が抜けませんね~、ダラ~ン、ですよ」
先生は、夫の健手を持ち、左右に振りました。
「体の力が抜けていれば、こうして手を揺すると、足もブルブルゆれるんですよね。」
でも、夫の体は、緊張していて、足も固まっています。
先生は、夫の体をマッサージしながら、リラックスさせようとします。
そして、夫の力が抜けてから、両足の足首を持って、グイッと上げました。
夫の体は、えびぞりの形です。
「麻痺足に力を入れて! そうです。上げて、上げて! いいですよ」
最後は、一番むずかしい、立ち上がりです。
20cm下の床に、両足を下ろして、体育座りのような恰好になります。
その時、夫の麻痺足は、力が弱いため外側に倒れがちです。
しっかり両足を閉じて、両手を前に出して、上体を前のめりにさせます。
正面に椅子を置いて、その座席に両手をつかせます。
まるで、初めて子供に跳び箱を飛ばせる時みたい・・・
「できるだけ遠くに手をつくんですよ。そして、押す、押す」
麻痺側に体重をのせないと、麻痺手の指が曲がり始めます。
何度も、調整した後、
「さあ、いきましょう。お尻を上げて、上体を前に!」
先生は、麻痺手とお尻を持って、介助しつつ、立たせます。
なんとか、麻痺側が固くならずに立ち上がることができました
最後まで、麻痺手がギュッとすることなく、麻痺足の踵を床につけて踏ん張ることができました。
先生は、私を見て、「できそうですね」って、ニッコリ。
「床から一人で立ち上がる」という目標に一歩近づけたようです。
先生は、時々、「こうなってほしいんです」って、自分の夢でも語るかのように、夫の目標を私に言ってくれるんです。
「でも、長い目で見てくださいね。」
「もちろんです。私たちだけなら、挑戦しようとも思いませんでしたよ」
今日も夫は、ぎりぎりまで頑張って、お疲れの様子。
でも、満足そうな良い表情です。
先生と私が、語り合っている、いくつもの目標に、ほんの少しずつでも近づくことができたら、嬉しいな~