いつも元気いっぱい、自信であふれた笑顔の、訪問リハの先生おとめ座が、今日、「私の失敗です」と、悔しそうに言いました。




きっと、今日のリハの目標は、麻痺した右足をまっすぐにして、しっかり体重をのせて、左足を出すこと、だったんです。


もうそろそろ時間だなあ、って頃、、、リハの最後に今日の成果を見るべく、夫を歩かせたんですが・・・うまくいかず、おとめ座は、「杖にたよっているからだ」と思い、杖なし歩行をさせたんですが、全く歩けず、夫には恐怖心だけが残ってしまった、、、というわけです。


杖なし歩行を諦め、椅子に座った夫は、時計を指さして、


男の子「こっこ、っこ、ね?」


おとめ座「そう、時間ですね、わかってます、、、でも、今終わるわけには、いかないんです。このまま終わると、今日のリハがマイナスになってしまいます。「できた」という思いで、終わって次につなげるんです」


そう言うと、おとめ座は、夫の体にさわり、調整を始めました。


恐怖で固くなってしまった体をリラックスさせ、姿勢を正しくさせます。


女の子「次の患者さんが待ってるでしょう?」


おとめ座「はい、電話して謝ります。私、こういうこと、時々あるんで、わかってくれると思います。このままじゃ、帰れません。今度のリハまで引きずってしまいますから。」


それから、夫を上手く歩かせるまで、1時間、リハが続きました叫び


帰るとき、おとめ座は、「考え直します」と言いました。


おとめ座「私の失敗です」という言葉は、今日だけのことではなく、今までのリハの進め方を後悔しているようなのです。


思ったように、夫の体の動きが改善していない。


頑固な癖が、どうしても取れない。


その一つが、立ち上がる時に、手を前に出した状態にすると、手すりを引っ張るように腕に力を入れてしまう癖です。


「ひっぱり癖」というそうですが、上体の力がない時、手すりを握って、手の力だけで、体を動かそうとして、病院で癖になってしまうことが多いそうです。


こういう癖がつくと、手に頼ってしまい、腹筋など上体の力が入れにくくなります。


夫は、その癖が消えず、立ち上がる時、手を握る反応が出てしまいます。


そんな癖、こんな癖、、、夫には、動きをじゃまする、癖、反応がいろいろあるのです。


女の子「時間はかかっても、癖は、取れますか?」


おとめ座「取れます。 私が取ります。焦らず、やりましょう」


先生のプロ根性を見た思いがしました。


夫の麻痺した体を治すには、どこまで、知恵や技術や努力が必要なのでしょう?


何年か後、夫が上手に歩ける日を夢見て、頑張ってみますか!?