秋晴れの水曜日、おなじみ、農業園芸総合研究所の菊地さん企画の

≪果樹園ツアー≫に行ってきました


最初にお邪魔したのは、利府町の【引俊梨園】



23年という、歴史ある梨園。

引地俊彦さんがお父様の後を継いで、

この園での梨づくりをさらにグレードアップさせています。




ちょうど頭の高さぐらいのところに、黄緑色や黄色の玉が

いくつもいくつもなっています。

こちらは≪幸水≫




引地さんのところでは、早出しのための早取りはせず、

品種にあった収穫時期をしっかり待つんだそうです。


どのくらいの色ですか~引地さ~~~ん







梨モデルの引地さんがにっこり

ほらほら、黄色い梨も「ちょうどいいんでないの~」と

にっこり笑っているよう

このくらい黄色い状態に熟すまで、樹に成らせておくんですね。

でも、あれれ?もっと大きかったような・・・
なんだべ、引地さん、手でっかくないですか~???

でも、このでっかい手で、包み込むように収穫されれば、

梨たちも安心

「お父さん、お世話になりました。私、お嫁に行きます」





そんなかわいい娘たちに、引地さんは化学肥料は使いません。

化学肥料の代わりに、ぼかし肥料と呼ばれる有機肥料を使い、

様々な工夫をして優しく育てています。



■余計な枝を這わせないよう切る

余計な枝が実に行く分の栄養を持っていってしまわないように
しているんですね。


■一方、来年、実を成らせてくれそうな期待の選手は、
 先端が倒れないよう、しっかりひもで固定する




ひもで固定してあるので、元気に上昇中



「化学肥料を入れれば、大きい梨は出来るけど、
おいしくない」


と、引地さんは言います。

肥料で果実を大きくするのではなく、葉に十分光を当てて、

樹が持ってる本来の力を引き出して果実肥大を促しているんですね。



そして、おいしい梨が出来る大きな要因の一つが土。



でっかい&ふっといミミズがいたのが、土の良さを物語っています

団粒構造の土で、柔らかいんです。

土壌の粒子が小さなかたまりを形成している構造で、

かたまりの間に養分がたまるので、保水性に富んでいるんですね。

さらに、排水性・通気性もよい。

利府の土壌は梨の生育にとっても適した土なんですね


その他、

■化学農薬削減のため、
 夏に付きやすい害虫@ダニを食べる天敵
 「カブリダニ」を利用



■交配能力に優れているマメコバチを利用
(果実に十分な数の種が入ると、綺麗な形のナシができる。
 人工授粉の手間が省ける。)




こちらは≪あきづき≫




幸水の後をしょってたつであろう、期待の星だそうです


(新高+豊水)+幸水=あきづき

あきづきは新高と豊水をかけ合わせた品種に幸水を交配させた赤梨で、

平成13年に品種登録された比較的新しい品種です。

こりゃ~親がいいもの~おいしいはずだわ~

引地さんと≪あきづき≫の出会いは菊地先生がいる、

宮城県農業園芸総合研究所。

農園研で食べて、カルチャーショックを受けるほどだったそうです。

「絶対これだ」という味、だったそうです


そして、≪あきづき≫を作り始めた引地さん。

栽培は苗からではなく、「接ぎ木」をしているんだそうです。



この木、3種類の梨の木から出来ているんです



下の部分の「台木」が≪ヤマナシ≫
真ん中の「中間台木」が≪豊水≫
上が≪あきづき≫

この3品種の木をナナメに切って、ナナメの切り口同士をくっつけるんですね。

そうすると、木の形成層同士から組織が出てきて・・・

ぴったりんこでゴールイン


下の台木がなんであれ、上に出来るのは、一番上の品種。

つまり、この場合は≪あきづき≫が出来るわけですね。

台木たちは文字通り、縁の下の力持ち。

上の品種を支えるわけです。

こうすることで、苗から作るよりも、はるかに早く木が大きくなる

そうなんですね。




たまに、自我を出す中間台木さんもいたりして、真ん中から

にょきっと枝を出すそうです。こうなると、上の品種ではなく、

中間台木≪豊水≫ちゃんが生まれちゃうわけです。



≪あきづき≫花芽が出るまでが難しいそうですが、

引地さんの≪あきづき≫は、去年よりも実なりがよいそうです

≪あきづき≫は10月~収穫の品種。

10月、期待してま~す


次回、試食&幻の梨をご紹介~



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