もうすぐ5歳になるりんは、お絵かきと塗り絵が大好きである。

いや、大好きの枠を超えている。

少しでも時間を見つけると、いつの間にかお絵かきや塗り絵に

いそしんでいる。

例えば、保育園に行く準備をしている時のこと。

「ね~、れんたくん準備する間、塗り絵しててい~い?
 りん、もう終わったから」


ふと見ると、着替えが完璧に済んでいるではないか

しかも、「い~い?」と聞いて、返事も聞いていないのに、
塗り絵始めている


“早く準備すれば、塗り絵の時間が出来る”

その子供らしからぬ計算と用意周到な行動、

そして、お絵かきに対する想像を超える執念にドキリとする母であった。





これは、おばあちゃんに買ってもらった塗り絵である。



凝るタイプの私ですら、娘に脅威を覚える配色の細かさ。

いつの間にか「え」も習得。


そんなりんは、昨夜から熱を出し、今日はお休み。

思う存分お絵かきが出来る

保育園に行ったれんたに邪魔されず、黙々とお絵かきに集中。





一方、最近ようやく「絵、らしきもの」を描くようになってきたれんた。

先日のこと。


れんた:「ママ~ぞうさんかけたよ~」

りん:「うわぁ~れんたくん、ぞうさんじょうず~
    じょうずになったね~れんたくん!すご~~い」

うれしそうなれんたと、褒め殺しのりんの声。


どれどれ、ぞうさんですか。





ぞうさん・・・

これはうさぎさん・・・ではないでだろうか。

しかも、何か困っていらっしゃる。

象、に間違えられたことに困惑しているのか。



えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


大変、失礼。

見る角度を間違え、焦る母







タテではなく、ヨコに見るんだそうで。

確かに左に象さんの鼻らしき、やや長い物体が。

しかし、顔の中にも鼻らしき丸いものが・・・


「れんたくん、鼻ふたつあるけど・・・」


とは、喉まで出かかったが、飲み込んだ言葉。

せっかく本人が満足しているのだ、言ってはいけない

と、我慢をし、ほめたたえることとした。

「うっわ~~~
 これ、れんたくんが描いたの
 ほんとう
 象さんだね~~~
 ちゃんと鼻もあるし(ここでは決して二つとは言っていない)
 象さん、じょうず~~~
 すご~いれんたくん、上手になったね~~~」

と、りんと同じく、褒め殺し、である。

うれしそうなれんた。

これでいいのだ。

これで・・・



「ね~、ママ、れんたくん、本当に上手だよね~」

と声を大にして再び言うりん。

なんて弟思いのお姉ちゃんなのだろう、と感心していると、

こっそり耳打ちしてきたのだ。


「はな、ふたつあるけどね」


        


・・・怖い女性に育ちそうである。


さすが、かおりんの娘!

今、そう言ったのはどなたですか