マスクの着用について,新基準なるものがテレビ報道で紹介されている。

正確ではないかも知れないが,

屋外において,人と2m以上の距離があれば,マスクは着用しなくてよい。

 例として,ランニング時など。

屋内においても,人と2m以上の距離があり会話を控えれば,マスクは着用しなくてよい。

 

 まず,これが“新”基準と言われることに驚きである。

(この条件なら必要ないことは,もっと早くから分かっていたことだろう。)

それから,テレビでMCが「なぜ,この時期に発表なのか?」と。

それって,テレビで連日やいのやいのと言ったからでしょう。

 

 そもそも,日本では,マスクの着用を法的に義務付けていた訳ではない。

だから,多くの人が集まる公共の施設等での約束事として着用を求められるこ

とはあるものの,その他の場面ではそれぞれが自らの判断で着けていたはずで

ある。

 だから,はずす云々もそれぞれが考えればよいことで議論の必要もないとい

うのが理屈であろう。

 

 街頭インタビューで,若者が,

「誰か首相とか偉い人がはずせと言ってくれないとはずせないですよね」

と語っていた。

 

 長年教育に携わってきた者の印象としては,情けなさすぎる。

 自分では何も判断できないのだろうか。

 

 コロナがやって来る前から,日本では,マスクを着用する人が大勢いた。

特に,新型インフルエンザの流行により学校でマスクを着用することを推奨された世代(現在30歳前後かな?)は,マスク着用の目的を誤解している者が多い。

 着用は,他人から病気をうつされないためにするものだと思い込んでいる者が多い。本来マスクは,主として,病気である人が他人にうつさないためにするものである。

 

 これとは少し意味は異なるが,花粉症でマスクが手放せない人も,日本には多い。コロナ以前からである。

 当時,東京の街中でのマスク姿の人々を,ヨーロッパのある国のテレビで,

「日本のここ東京では,原発事故による放射能汚染でマスクを着けている人が溢れている」と誤った報道がなされたらしい。

 

 また,これもコロナ前なのだが,憶えておられるだろうか?

「スーパーの店員が皆マスクをしていて,顔を見せずに応対するのが失礼だ」とある客が言ったことで,議論になった。

 この頃,私は,マスク着用の店員さんが多いことには気づいていた。でも,それは,当人が花粉症または風邪気味であり,咳やくしゃみで客に迷惑をかけてはいけないと考えて,マスクをしているものと思っていた。

 つまり,「体調が悪いのに,休めないのだなあ」と好意的に捉えていた訳である。

 ところが,実際のスーパー店員のマスク着用の言い分は違っていた。

「多数のお客さんを相手にするので,病気をうつされたくないから」

というものだったのだ。

 

 マスク着用の主目的を誤解しているマスク好き好き世代のあるあるか,と聞き流すしかないなと思いながらも,少し気分を害した。

「客は,バイ菌なの?」

 

 そうこうしているうちにコロナがやってきて,日常的にマスクをするようになり,この議論はたち切れとなった。

 

 総じて日本人は,多くの人がマスクをしていた。好きな人は,これからも装着し続けるだろう。そもそも強制された訳ではないので,はずしたければ,基本,自分で判断すればよいことである。

 

 新しい基準とは,呆れる。

私は,日常的にジョギングをしているが,当初からマスクを着けてというのはほぼほぼない(マスク警察対策のため,ポケットにスポーツマスクを入れてはいるが)。

少しでも運動生理学の知識があれば,それが危険な行為であることを認識しているからだ。前にも書いたが,成長過程にある子どもなどは尚更危険である。

 

 テレビで皇居の周りをジョギングする方々の様子を観ることがある。彼ら彼女らは,走りたいのか,大勢の人と寄り集まりたいのか,どちらなのかと考えさせられる(あれでは,マスク装着も考えざるを得ない)。

 

 長年のジョギング愛好者としては,同じ愛好者とたまに出くわすのみの自然にも親しめ伸び伸びと走ることのできる自分だけの自慢のコースを見つけられることをお勧めする。

 

 随分と気候的に暑くなってきた。

 妻に言われてではなく,今日から半袖にした。