テレビで観たのだが,東京には今年度ほとんど大学に出向けていない学生さんが多くいるらしい。かなり有名な伝統ある大学の学生もインタビューに応じていたが,「7月にあった健康診断以外は一度も大学に行っていない」という。
地方から東京に初めて出てきて,おそらく二倍以上はする家賃のところで新生活を始めてはみたものの,一度も大学には行けない。いつ再開するかも分からないゆえに賃貸を退去する訳にもいかない。家賃は払い続け,感染数最大のところに住んでいるため,地元に里帰りすることも躊躇われる。
地方からの新入学生は,いまだ友達もできず,相談できる相手もいないという。
気の毒でならない。
私の周辺では,後期からはほとんどの大学で対面授業を始めている。勤務しているところも開講科目の半数以上は対面で行われていると思う。私自身も週の半分は出勤しての講義になっている。
同じ学部学科の学生を少人数のグループに分けて,それぞれ日時をずらして顔合わせをし,交流もなされている。
新入学生に向けてのサークル活動の紹介も,オンラインで実施したりしている。
様々なことで上級生とも協力し,工夫を模索している大学も多いのだ。
図書館も学生会館も利用できない。学生食堂にも行ったことがない。
これでは,あまりにも,・・・である。
若者から観れば,国会議員は高級クラブ・高級ラウンジに行ったりしているのに,「どうなってるのか」と言いたくもなるだろう。
会食して騒いでいる大人もいる。仮に,オリンピックが開催されたら,競技場等には大勢集まってもいいことになる。
「学問することは,だめなの?」訊かれてどう答えるべきなのか?
「学問に対する後押しは眼中にないのか?」ということにもなる。
まあ,“学問はお金にならない”ということだろう。
しかし,それは目先のことである。若者は,これからの日本の経済を支える人材であることを忘れてはならないと思う。
私のような年齢になると「今の若者は,・・・」と思うこともあるが,最近の若者はボランティア活動など他人のために寄り添える者も多い。
このコロナ禍においても,医療関係従事者への志願者が増えていると聞く。
その姿勢には,頭が下がる。
真面目な大学生や若者が,何とか前向きに学べるようにエールを贈りたいものである。