【備忘】旧司法試験民法平成21年度第1問 | 司法試験ブログ・予備試験ブログ|工藤北斗の業務日誌

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個人的な備忘です。

⑴ 小問1において,BがAに対して,「『甲絵画を売るのはやめた。委任状は破棄しておくように。』と言った。」ことを,詐欺取消しの意思表示であると見た場合
ア 96条3項を用いて,Cを保護することはできない
∵判例は,96条3項の「第三者」を取消し前の第三者に限定している
イ 109条,112条を用いる場合,類推する必要はない

⑵ 池田清治「事例で考える民法演習2」168頁以下
ア 詐欺取消しの意思表示をした時期が不明。「CはAがBに代理権を与えたことを前提に,Aによる取消し前に,Bとの取引関係に入った者であるから,96条3項の『第三者』に該当する」(169頁)という表現からすると,取引後に取消しの意思表示をしていることを前提とするように読める
イ 112条と共に96条3項を適用する必要はある?96条3項で,Cに取消しの意思表示(代理権の消滅)を対抗することができなくなるから,あえて112条を(も)持ち出す必要はないのでは(平野裕之・コアテキスト民法Ⅰ民法総則167頁注202)?


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