『刑事訴訟法（第２版）』

『刑事訴訟法（第２版）』（安冨潔）

☆司法試験向き度→3/5点
☆予備試験向き度→2/5点
☆法科入試向き度→2/5点

安冨先生による刑事訴訟法の教科書の第２版。

刑事訴訟法の教科書としては珍しくかなり大部。

内容的には，教科書というよりコンメンタール的な辞書。
かなり細かい論点についても記述がある一方で，重要論点についての考察を深めるという叙述のスタイルを取っているわけではない。また，自説は比較的弱めで，本文ではなく「論点」，「検討」，「学説」といったコメント（発展的事項の記述部分）に若干の記載がある程度。

受験的には，重要論点についてまずは本書に当たり，必要に応じて本書に引用されている文献を読み込んで，さらに理解を深めるという利用法が良いだろう。通読向きではない（通読向きのオススメ教科書は，『LEGAL QUEST　刑事訴訟法』）

最新の文献までフォローされているので，１冊手元に置いておくと孫引いていくときの起点として便利。

刑事訴訟法の分野で上記のような利用法ができる教科書は本書くらいのものなので，その意味ではかなり重宝しそう。