承知している限り、東京都と大阪府では、

 

「この高校、聞いてた話と違う!」

 

という理由というか、転居以外の事由で、転学を認めている。

 

他の県については、一家転住以外での公立高校受け入れは聞いたことがない。

 

では、転学を認めているのだから、東京と大阪ではさぞかし大量の生徒がリシャッフルして転学しているのだろう、と我々一般人は想像するのだが、本当のところはどうなのかを調べてみることとした。

 

まず、お膝もとの大阪。

 

私立高校の受け入れ情報は既に公開されている。

 

 

事前相談が必須だから、相談をすれば受け入れの可否はわかると思われる。だから結果はどうでもいい。

 

問題は府立高校。

 

色々調べてみたが、大阪府学校教育審議会の資料でさえ「編転入による受入れ状況〈大阪府教育庁調べ〉」となっていて、結果についての数値発表はない。

 

つまり、完全なブラックボックス

 

ちなみに、転居なしでの転学試験で合格したという話を聞いたことがある人がいたら、教えてほしい。

 

個人的には、ほぼいないんじゃないかとすら思っている。

※天王寺高校に、大阪星光からの転入生がいるらしいという話は聞いた。府県境越え転居かどうかは知らない。時期も知らない。

 

東京都だが、情報公開についてはさすが進んでいる。

 

令和3~5年度第二学期都立高等学校 転学・編入学募集実施結果【全日制課程】区分2(一般)

学年 第1学年 第2学年 第3学年
H3 募集人員 690 877 1,601
応募人員 114 28 1
受検人員 106 28 1
合格人員 53 16 1
合格率 50.0% 57.1% 100.0%
H4 募集人員 878 1,137 1,433
応募人員 124 50 4
受検人員 119 48 3
合格人員 58 20 1
合格率ゴウカクリツ 48.7% 41.7% 33.3%
H5 募集人員 750 1,532 1,834
応募人員 186 17 2
受検人員 181 17 2
合格人員 70 8 0
合格率ゴウカクリツ 38.7% 47.1% 0.0%
         

 

上の表は、東京都教育委員会が公表している理由を問わない区分の転学試験の結果を示したものだ。

 

特に、高一の二学期転学については、学科も不問で受験できることとなっている。
 
元々は、個別校データを並べるつもりだったのだが、ご覧いただければわかるとおり、第一学年の受験人数ですら200名に到達していないから、毎年第一学年で転編入合格を出しているという学校自体がない状況だった。
 
しかも、合格率も極めて低い。
 
個別校の3年間実績を見る限り、いわゆる自校作は、ほぼ落とされると考えて間違いない。
 
低偏差値校でも、半分は落とされている
 
結論としては、失敗時の残留が認められている都立間の転学以外は、やめたほうがいいということになる。
特に「私立から都立」は無謀と言ってよい。
 
なお、転居に伴う転学は別枠なので、今回の議論の対象外。
定時制も対象外。