ご存知の方も多いとは思うが、21世紀初頭まで評定は相対評価で行われていた。

 

この時代は、5~1の割合が決められていた。「5」:7%、「4」:24%、「3」:38%、「2」:24%、「1」:7% だ。

 

バラの花で有名な私の出身中学では、内申(成績分布表)が必要ない私立専願者に対しては、あらかじめ口頭で了解を取ったうえで評定を剥がし、都立志願者のうち学校側が下駄をはかせた方がよいと考えていた生徒に対して評定を加算するという操作を行っていた。なぜそんなことを知っているかというと、親がPTAの役員をやっていて、いろいろ聞きこんできたからだ。

 

この本に書かれていた手法は、

 

①成績分布を添付しない私立への調査書では、意図的に誤転記を行う。

 

②成績分布が公式記録に残らない3年一学期末の成績では、本来の評定より意図的に低い評定をつけて、12月末の調査書用評定への舐め代にする。もちろん成績分布は崩れている。

 

この二つだ。

 

これは、偏差値があればこそ可能となる「ピッタリな内申点」を付与して、剰余分は上位校挑戦者やボーダーライン生に下駄をはかせるためにつかったと推察している。

 

今の時代にこれを行ったら、間違いなく事件になる。

幸いなことに、いまは絶対評価なので、こんな操作をする必要はなくなった。