ところで、ぱっと見は簡単そうな問題ですが、実は高校生じゃないと証明できない問題も中学受験で出されることがあります。
「5分の4より大きく6分の5より小さい分数で、分母が一番小さい分数を求めて下さい。」
もし、過去にこの手の問題を出している学校があるとすれば、たぶんまた出してくるので、親がきちんと問題を把握しないといけません。ある意味有名問題。
対処方針は、答の暗記です。これしかありませんが、一般解は簡単なので、論理だててでもいいし、丸暗記でも構いません。説明したうえで暗記。間違いなく、差がつく問題です。
先に答を書いてしまうと、9/11です。
みなさん通分しようと思うでしょう。でも、通分しても解けないのです。
ここでは、一般化して問題を変えて証明します。
「連続する3つの自然数、n-1、n、n+1 が構成する2つの分数(n-1)/nより大きくn/(n+1)より小さい分数で、分母が一番小さい分数は何か。」
焦点の分数をa/bとします。もちろんa、bも自然数。
(n-1)/n<a/b
a/b<n/(n+1)
ですね。素直に整理すると、
na-(n-1)b>0
-(n+1)a+nb>0
ここで、
na-(n-1)b=α ①
-(n+1)a+nb=β ②
と置きます。α、βはもちろん自然数。
①②をa、bについて整理すると、
a=nα+(n-1)β ③
b=(n+1)α+nβ ④
という結果を得ます。
分母であるbは、小さければ小さい方がいいに決まっているので、α、βは自然数最小の1と置くべきです。
③④にα=1、β=1を代入すると、
a=n+(n-1)=2n-1 ⑤
b=(n+1)+n=2n+1 ⑥
となるので、
(2n-1)/(2n+1)が一般解となります。
「連続した3自然数の中央の値を2倍して1足したものが分母、1引いたものが分子。」
さて、小学生にどうやってこれ暗記させる?
※暗記以外は無理だということは、読者の皆さんは同意されると思います。
※負の数の問題は中学受験では出ないから無視。絶対値で考えればいいとは思うけど。
いっそのこと、連続する3つの数を1~3、2~4、・・・・7~9までの全パターンについて、答を暗記してしまうほうがいいかも。
さすがに2ケタの数では出さないと思う。