子供が生まれた病院は、地元では非常に有名な病院で、産婦人科や乳児の医療では地域の中心的な病院です。

ところが、今から考えると不思議なことに、新生児聴覚スクリーニングがなかったのです。

生まれたときは目の色が青かったり、いろいろ冷や冷やしたのですが、聴覚の検査を全くしなかったので、1歳半の時に発覚するまで、聴覚の状態がどうだったのかということが、まったくわかりません。

ただ、事情で海外に滞在していた期間があり、そのとき、顔や全身に赤い発疹が出たのです。

この時、子供は別に普段と変わらないように元気でしたので、現地のお医者に連れて行っても検査されることもなく、「大丈夫大丈夫」ですまされてしまいました。

ところが、ほかのお子さんと比べても発語も少なく、声をかけても反応がよくないことに気づきます。

一歳半検診でそのことを話して、近隣の大学病院で検査してもらうことになりました。

その結果、難聴が判明したのでした。


ところで、風疹の罹患は、最近になるまでわかりませんでした。最初にも書きましたが、偶然眼科の先生が見つけた風疹痕で分かったのです。

でも、最初から聞こえなかったのか、風疹で聞こえなくなったのかは、永遠にわからないでしょう。

総合大学付属病院の先生から、一歳半の時に言われたのは、「左右の聴力が同じように悪いから、先天性かもしれないね。」

ただいえることは、後遺症が出るような風疹に罹ったのは、生まれてから後だということです。

耳鼻科のST先生によれば、障害の状態から先天性風疹症候群ではないことが、ほぼ確実とのことです。