「無一物中無尽蔵」(むいちもつちゅうむじんぞう)と読みます。生き方の助けとなる禅語です。
これは「無一物中無尽蔵 花有り月有り楼台(ろうだい・建物)有り」という蘇東坡(そとうば)の詩の一節から引用されたものです。
蘇東坡…中国北宋代の政治家、詩人、書家で蘇軾(そしょく)と呼ばれた人物のこと。
ひとつのかばんがあるとします。
かばんの中のものをすべて取り出して空っぽにしたら、何でもいれられるようになります。
何も持たずにいたら、逆に何でも手に入っているのと同じということだそうです。
花も月も、世界はまるごと私たちに分け与えられています。
失うことを恐れて抱えこもうとすると、そのほかは自分のものでない、という境界ができます。
この境界を取り払い、物事のあるなしに執着しないこと。
そうすれば、自分の心の中に世界のすべてが収まるそうです。