
【日本神話最大の謎】
太陽神・天照大神は、なぜ『女神』にされてしまったのか?
太陽の神、そして皇室の祖先神とされる、日本神話の最高神『天照大神(あまてらすおおみかみ)』。
神社では、当然のように『女神』として認識していますが、「なぜ、太陽神なのに、男性ではないのだろう?」と、疑問に思ったことはありませんか?
実は、その背景には、古代日本の国家形成を巡る、壮大な政治ドラマが隠されているのかもしれません…。
◆世界の神話では『太陽神=男性』が多数派
世界中の多くの神話では、太陽は、力強い『男性神』(ギリシャ神話のアポロンなど)として描かれます。
日本の神話でも、天照大神の弟であるスサノオノミコトが、非常に荒々しい男性神として描かれているのと対照的ですよね。
◆鍵を握る人物
『持統天皇(じとうてんのう)』
天照大神が『女神』として、その神格を完全に確立したのは、歴史書である『古事記』や『日本書紀』が編纂された8世紀初頭のことです。
そして、この国家的な大事業を、夫・天武天皇の遺志を継いで推進したのが、7世紀末に君臨した、非常にパワフルな女帝『持統天皇』でした。
◆なぜ、『女神』である必要があったのか?
持統天皇が生きた時代は、天皇を中心とする、強力な中央集権国家を確立するための、非常に重要な時期でした。
その国家の『正当性』を、神話のレベルから裏付ける必要があったのです。
★女性天皇の『正当化』
◇天皇家の祖先であり、日本の神々の頂点に立つ最高神が、力強い『女神』であること。
◇それは、『女性が天皇として国を治めることは、この国の始まりの時から定められた、神聖で正しい姿なのだ』と、天下に示す、これ以上ない強力な『根拠』となりました。
◇持統天皇自身の権威を、絶対的なものにするための、見事な国家戦略だった、と考えることができます。
★古代の『巫女(みこ)』文化との融合
◇また、古代の日本では、神々の言葉を受け取る『巫女』という、女性のシャーマンが、祭祀の中心にいました。
◇最高神を女神とすることは、この国の古い信仰の形とも、美しく合致したのです。
◆まとめ
天照大神が女神であることは、単なる神話の設定ではなく、
『持統天皇という、類稀なる女帝が、自らの存在と、国家の未来を懸けて、神々の物語を編纂した、壮大な政治的プロジェクトの結果であった』
というのが、この説の結論です。
神話とは、ただの空想ではなく、その時代を生きた人々の、強い『意志』や『願い』が込められた、壮大な物語なのですね。
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