
感情と心身の繋がり
第三話 背骨の構造、働き、部位ごとの感情の関係2
4.東洋医学的根拠◆◆
東洋医学では、身体と心、感情は密接に結びついていると考えられています。西洋医学のような解剖学的・生理学的な区分とは異なりますが、部位と感情の関連性は古くから言及されています。
◆経絡(けいらく):身体には「気」が流れる通り道である経絡があり、特定の経絡が特定の臓腑や感情と関連すると考えられます。背骨の周りには多くの経絡が通っており、その滞りが身体の不調や感情の乱れとして現れるとされます。
◆五行思想:東洋医学の基本思想の一つで、肝(怒)、心(喜)、脾(思)、肺(悲)、腎(恐)といった五臓がそれぞれの感情と関連し、これらが身体の特定の部位にも影響を与えるとされます。
★腎(恐):仙骨や腰と関連が深く、「生きる力」や「気力」の源とされ、恐怖や不安が腰痛などとして現れると考えられます。
★肝(怒):肝はストレスや怒りと関連し、胸脇部(胸椎レベル)や肩に症状が出やすいとされます。
★肺(悲):肺は悲しみと関連し、胸部(胸椎)に影響を与えやすいとされます。
◆チャクラ:エネルギーセンターを指します。
★第一チャクラ(ムーラダーラ):尾骨・会陰部に位置し、「生きる力」「安定」「生命力」と関連します。
★第二チャクラ(スヴァディシュターナ):仙骨部に位置し、「感情」「創造性」「性」と関連します。
★第四チャクラ(アナハタ):胸椎の高さ、胸の中心に位置し、「愛」「共感」「悲しみ」と関連します。
★第五チャクラ(ヴィシュダ):頚椎の高さ、喉に位置し、「コミュニケーション」「自己表現」「真実」と関連します。
東洋医学では、感情が体内の気の流れを滞らせ、それが特定の部位に凝りや痛みとして現れる、という解釈がなされます。
5.量子力学的根拠◆◆
量子力学は、物質の最小単位である素粒子レベルの現象を扱う物理学の分野であり、現状では「感情が背骨に宿る」という現象を直接的に説明する科学的根拠はありません。
量子力学が「意識」や「情報」とどのように関わるかについては、一部で議論や仮説が提唱されていますが、これらはまだ科学的な検証段階にあるか、あるいは哲学的な領域に属するものです。
★情報場、エネルギー場:一部の代替医療やスピリチュアルな分野では、人体を構成する細胞や分子が独自のエネルギー場や情報場を持っていると考え、その乱れが病気や感情の不調を引き起こすという見方をします。しかし、これは現在の科学で確立された理論ではありません。
★バイオフォトン:生体から発せられる微弱な光子で、細胞間の情報伝達に関わると考えられています。これが感情や健康状態とどのように関連するかは研究途上にあります。
現時点では、量子力学が背骨と感情の直接的な関係を解明しているわけではない、という認識が適切です。
6.スピリチュアル的根拠◆◆
スピリチュアルな視点では、背骨や各チャクラは感情や意識のエネルギーと深く結びついているとされます。
◆感情の通り道:背骨はエネルギー的な「幹線道路」であり、様々な感情のエネルギーが通過したり、滞留したりする場所と見なされます。
◆チャクラ:上記の東洋医学の項目でも触れましたが、各チャクラは特定の感情や精神状態と関連しており、そのバランスが崩れると対応する身体部位や感情に影響が出ると考えます。
★尾骨(第一チャクラ):「生きる力」「グラウンディング」「根源的な安心感」。ここにエネルギーの滞りがあると、不安感や無気力に繋がるとされます。
★仙骨(第二チャクラ):「感情」「創造性」「セクシュアリティ」。悲しみや過去のトラウマがここに溜まりやすいとされます。
★腰椎:多くのスピリチュアルな解釈では、我慢や抑圧された感情、特に「怒り」や「フラストレーション」が腰に影響するとされます。これは、腰が「自己支持」や「自己価値」と関連付けられるためです。
★胸椎(第四チャクラ):「ハートの領域」「愛」「許し」。深い悲しみや喪失感、人間関係の悩みなどが胸を締め付ける感覚として現れるとされます。
★頚椎(第五・第六チャクラ):「コミュニケーション」「自己表現」「知恵」。未来への不安、コントロール欲求、言いたいことを言えないストレスなどが首や肩のこりとして現れるとされます。
スピリチュアルな観点では、これらの「滞り」や「アンバランス」を解消することが、心身の健康につながると考えられ、瞑想、ヨガ、エネルギーワークなどが用いられます。
まとめ◆◆
背骨は、解剖学的・生理学的に見ても、神経系の中心として身体の機能を司り、感情的なストレスが身体症状として現れる重要な部位です。
特定の感情が物理的に「宿る」というよりは、感情が自律神経系などを介して身体に影響を与え、その結果として特定の部位に不調が現れると理解するのが現代医学的な見方です。
一方で、東洋医学やスピリチュアルな視点では、背骨の各部位がエネルギー的な観点から特定の感情と深く結びついていると考えられています。これらは異なる概念体系ですが、心と身体が深く繋がっているという「心身相関」の重要性は共通して認識されています。
ご自身の身体の声に耳を傾け、心身のバランスを整えることは、どの視点から見ても非常に大切です。