先日、認知症の祖母が通うデイサービスへ見学に行ってきました。

ボランティア活動のために行ったというより、デイサービスがどんなところなのか知りたくて行ったという感じです。

前日まで、変なお年寄りがいたらどうしようかとか、どんなキャラで立ち回ろうか、とかいろんなことを考えていました。

家族やお友達や先生など接する相手によって、キャラというほどではなくても話し方や態度のスイッチを切り替える必要があります。
今回のデイサービス訪問は、祖母、知らないお年寄りたち、職員の方、とたくさん相手がおり、中でも認知症のお年寄りとの接し方をどうしたらいいのか心配でした。

また、祖母はたびたび「今日デイサービスで御宅のお孫さんはいい子だねえと言われたよ」と言っていることがあります。きっとデイサービスで祖母のほうから孫の自慢話をしているにちがいないと思うと、余計なことを言わないでいてくれ〜〜と思わずにはいられません。モンスターペアレントを抱えた子どもが、親が何を言いだすかとヒヤヒヤするような気分でいました。


いくら考えたところでこうしよう!という解決策もないので、とりあえず社交的に振る舞おう!と自分を元気付けてデイサービスに向かいました。

実際に行ってみると、私の祖母を含め、お年寄りたちは見学に来た私たちをあまり気に留めていないようでした。
どうしたんだろう?とか見学かな?とか新しい仲間かな?といった感じもありませんでした。
私たち訪問者の存在に気づいていても単なる気づきでしかなく、何者かな?という疑問は浮かんでいなさそうに見えました。
そのことがまずちょっとした衝撃でした。気づいてはいるけれど別になんともおもっていなさそうな感じ。
話しかけられたらどうしようとか、祖母が孫自慢を始めたらどうしようとか(本人にとってはこれは大きな問題滝汗)、そんなことは見当違いな想像だったらしいのです。

普通の人ならこう返すだろうという反応が返ってこない感覚。
ティッシュの箱を投げつけられたとしても、怒鳴られたとしても、それはまだ私の想定内だったと思います。それよりもずっとお年寄りたちのあの雰囲気は想定外でした。

よく考えれば認知症ってそういう病気だった…なんで気づかなかったんだ私…と後から思いました。

認知症と過ごしていてわかることや慣れたことは、予想外の行動をとったり予想外の反応をしたりするということを予想できるだけで、行動や反応は予想できないことです。

ただのボケとは違い、脳がだめになっていく病気、認知症という病気を思い出した瞬間でした。


デイサービスの中で見たことや気づいたことについては次の記事で書きます。

奈々代照れ