つい最近、ハイキューの原画展へ行ってきました。

前に夏目友人帳の原画展を見に行って、とても刺激的で面白かったので、原画展そのものが気になっていたのです!

そんなときにハイキューの原画展を催しているというポスターを見かけて、行くことにしました。

夏目友人帳の原画展は原作のものだったので、漫画家の方が描いた原稿やカラーイラストなどが展示されていましたが、ハイキューの原画展では、アニメで使われたカットの原画を縮小したものがずらっと展示されていました。

縮小コピーされているので、夏目友人帳の原画展の時のように、これを人間が描いたんだー!というような感動はそれほどありませんでした。

でも、人間の手が描いた感がそこに感じられないのには、縮小コピーされているからという理由だけではないと思います。

たぶん漫画の絵とアニメの絵の決定的な違いのせいだと思います。

漫画は、作者が頭の中に描いたストーリーやキャラクターや世界観を、漫画家自身の手で表現します。
だから漫画の絵は、漫画家さんの人間味がそこにあらわれているのだと思います。

一方アニメは、漫画家さんが描いた漫画を元に、動画用に絵を描きなおしたものです。
アニメーターさんは、漫画家さんが作ったキャラクターの絵をそっくり真似して描くことを意識していると思います。

だからアニメの絵は、描いた人の存在感があらわれないのだと思います。

むしろ、自分自身をころして描いたように感じました。

何人ものアニメーターさんが、他人が生んだキャラクターをそっくりに描くには、それぞれのアニメーターさんが自分自身というものをしまいこんで、忠実に再現する必要があるんだなと思いました。

一言でいうと、漫画の絵には描いた人の個性や人間味があらわれるけれど、アニメの絵は描いた人それぞれが個性をしまいこんで全体での統一感を作り出していると感じました。

漫画の原画展では、コミック本ではわからない描いた人の存在感に触れましたが、アニメの原画展では、一人一人が個性をしまいこんで作り出した全体での統一感を見ることができました。


また絵の内容的なところでは、ハイキューはその名の通り、バレーボールを扱ったスポーツものの漫画なので、躍動感ある絵ばかりでした。

躍動感ある絵、というより躍動感を与える演出のための絵、という印象です。

サーブを打ち込むときの手や、相手の攻撃をブロックする手、闘志に満ちた表情が強調された構図でした。

さすがスポーツもの、という感じでした。

また、ものが重なるところは二枚に描き分けて後で動画にするときに合成していたり、手だけしか動かないシーンでは手だけ何カットか描いてあって胴体は同じ絵を使いまわしていたりするところに、アニメの制作過程を感じられて面白かったです照れ

例えばハイタッチのシーンでは、万歳の格好をしたキャラクターが二人描いてあって後で手の部分が合わさって、ハイタッチっぽくなるんだろうなという絵。

まばたきするシーンでは、目が開いている顔の絵と、輪郭は描かれておらず閉じられたまぶただけの絵があって、顔の輪郭や目以外のパーツは何カットかに渡って使い回すんだろうなという感じの絵などがありました。

細かくカット数やメモ書きが隅っこに描かれているところにも、誰かが作った感が出ていて面白かったです。

何かの制作過程を見るというのは、工場見学などとも共通しているなと感じました。

同じ原画展でもいろいろな違いを感じることができたので行ってみて良かったと思いました。カナヘイうさぎ

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